国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   新しいもの、古いもの   かせり

 ラレルは他からの動作や働きを受けること、動作をする人に敬意を表すこと、しようと思わなくてもそうなること、そしてあることができるという意味がある。ラレルは四つの仕事を同時に受け持つ助動詞なのだ。しかし、この働き者のラレルにも欠点がある。それは、意味が多すぎて、使い分けが難しいことだ。なので、日本人は可能系のラレルをレルだけにする、つまりら抜き言葉をつくった。このら抜き言葉は、良いか、悪いかは頻繁に議論されている。
 確かに、古くて正しいものには良さがある。昔から伝わってきた日本食はご飯、魚、そしてみそ汁の三つがあげられる。これは一見粗末に見えるが、人間の体が必要とする栄養とエネルギーをほとんど全部もっている。そしてこの食生活があったからこそ世界一の平均寿命が保たれているのだ。今のファストフードなどでは体のためどころか悪い、という。また、銭湯やトイレなども今とは違いあまりエネルギーを使わないので地球環境にも優しいそうだ。先日、新聞に電話機のことについての話が書いてあった。ある電話機はその家のお婆さんにとてもよく使われていた。しかし、ある日そのお婆さんはケータイ電話を買い、メールまで覚えて、電話機のことなど忘れてしまっていた。しかし、ある朝、お婆さんはケータイが見つからなくて困っていた。その時ふと、隅でホコリまみれになっている電話機が目に入った。そして、その電話機でケータイを鳴らして見つけることができたのだという。
 しかし、新しいものには便利さもある。若者は今言葉を短縮して使うことが多い。それは多くの大人になっては不快なことであると聞く。しかし、よく考えてみると便利なものだ。ある日、私は買い物中にこんなことを話しているのを聞いた。「ママー!あそこのゲーセンにさ、自己中な子がいてさ!」私はこれを聞いて心の中でこの言葉を昔ながらの言葉に変えてみた。すると、「おかあさん!あそこのゲームセンターに自己中心的ないてさ!」になった。これでは早く物事を伝えられことができないし、つっかえてしまいそうだと思った。
 確かに古いものにも新しいものにもそれぞれ良さがある。しかし、一番大切なのは両方の持ち味を最大限に生かすことだろう。「すべてに効くという薬は、何にも、たいして効かない」という名言のように、ひとつのものが全てのことにおいて優れていることはないのだ。なので、古いものと新しいものの両方を使わなければ充実した生活は送れないだろう。

   講評   tama

 言葉は日々変化するものであり、使い方も昔とはずいぶん変わってきているものもあります。初めは違和感があっても、慣れてくればなんとも思わなくなり、最後にはそれが正しい使い方になったりしますから、おもしろいですね。
 しかし全ての変化を受け入れるのではなく、「古くて正しいもの」は残すべきだという考え方も否定できません。そして便利で新しいものと両方をうまく使っていくことが、充実した生活にもつながるということですね。「お婆さんのケータイ」の話は、新しいものを使っていても、古い物の良さも忘れてはならないことを思い出させてくれる、おもしろい実例だと思います。
 名言をうまく引用し、「ひとつのものがすべてのことにおいて優れていることはない」と、広い視野から意見を述べることができました。

※ 接続詞(しかし)が頻繁に出てくるので、違う言葉(だが、けれども、が、逆に、反対に…など)で言い換えてみるとすっきりしそうです。



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