国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   固有名詞   あにせ

 人にはそれぞれ生まれた時に名前が付けられる。名前も意味もそれぞれ、その人だけのオリジナルの名前だ。だいたいの人が、その名前に誇りを持っている。親が考えを練ってつけてくれた名前は、何気なく使っているがその人を象徴するものなのだ。そして年を重ねていくうちに様々なグループに所属し、自分というものが広がっていく。そのようにして私たちは成長し社会を生きていく。固有名詞とは常に身近にある重要なものなのである。その反面で、固有名詞は時に社会や国際問題にまで発展しうるものでもある。最近では竹島問題もその問題のうちの一つだ。また、今までの歴史の中でもエスキモーなど蔑称で呼ばれ軽蔑されてきた民族もいる。このように固有名詞はよくも悪くも多くの問題を引き起こす可能性がある。日本はその重要性を忘れている気がする。固有名詞の問題に敏感でない現代の社会は問題だ。(社会問題の主題)
 第一に考えられる原因は、互いに尊重し合うという意識の薄れだ。竹島問題もこれに該当するだろう。韓国、日本が互いに尊重し合えば、このような問題は起こらないはずだ。現代の人間は、相手を思いやる気持ちや尊重する気持ちがかなり薄くなっている。小さな争いから大きな問題まで多発していることが、ニュースなど見ていても伺えるだろう。人間は生きていく上で他人と協力しなければならないのはわかりきったことである。その中で上手く生きていくためには、尊重する気持ちを決して忘れてはならない。(複数の原因1)
 また第二に考えられる原因として、現代までに続いてきた伝統を振り返るという機会がほとんどないことだ。今の自分があるのは、先祖代々引き継がれてきたものや人々によるものであって、現代に生き新しいものにばかり目が行きがちな私たちはそれを感じることが少ない。伝統の重要さに気付けないのだ。伝統的なものにはどこか愛着が湧くものだ。私たちが伝統に触れる機会をもっともっと増やすべきだ。私は体育委員で今体育祭に向けて準備をしている。その準備にあたり、どのような装飾にするか決めたのだが、十年程前に作られたクラスカラーを使った大きな絵がある。それを見た時、是非それを飾りたいと思った。その意見は高二皆一致し、中央に飾ることが決まった。ほぼ毎年飾られていたものだったので、その伝統を引き継ぎたかったのだ。十年前なのでそれ程昔のことではないが、既に社会人になった先輩が作ったものが今もまだ使うことができるのは、今の代の私たちも何処か喜びを感じた。このように、伝統を振り返り昔から伝えられたものを大事にすることを現代で意識して行うべきだ。(複数の原因2)(体験実例)
 確かに、固有名詞だけでなく匿名性を利用することにも便利な部分はある。しかし、これからの社会では固有名詞やアイデンティティーを重要視する傾向にあると思う。人間だけでなく食べ物にも、どこで生産されたものなのかなどと細かな情報が必要になってきた。固有名詞とは、自然なものではなく意味や伝統などを備えた巨大なものである。それらの重要性に疎い現代の日本の社会は問題だ。(社会問題の主題)(自作名言)

   講評   nane

 第一段落に、問題がたくさん入ったね。社会の問題は、結局自分の問題だから、「そういうことに敏感でなかったところに、私たちの問題があったのではないだろうか」などと書いていくといい。自分も含む社会の問題として考えるのがコツ。
 固有名詞には、その固有名詞に深くかかわって生きている人がいることを知る想像力が大切。あまり会わない人に、名前まで覚えていてもらうと、うれしくなるときがある。そういう感覚が国際社会にも必要ということだね。
 歴史的原因もよく考えた。このように、原因は、社会的、歴史的と考えていくと、立体的につかめることが多い。
 農産物にも「田中さんちのジャガイモ」などのように固有名詞がつくようになった。これは、責任感の表明ということだろうね。


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