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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   一番大切な言語は!?   意気陽陽

 島国言語の特色のひとつは、相手に対する思いやりが行き届いていることである。日本語の人称をあらわす語は、きわめて多様で、第一人称など五つ六つがすぐ頭に浮かんでくる。相手との心理的距離、関係にしっくり合うような人称語を使うことが必要だという意識がつよいからであろう。対人関係の微調整の感覚が発達しているのだとも言える。島国言語のもうひとつの特質は、話の通じがたいへんよいということである。その典型は家族間の会話である。省略の多い、要点のみをおさえた言葉のやりとりをしていて、お互いに理解し合っている。通人同士だからである。
 島国言語というものは深く考えてみると、とてもよいもののような気がしてくる。なぜなら、島国言語を使うということは、色んな立場の人と話す場合に大陸言語よりずっと便利なのだ。本文にもあるように、日本語では人称表現が数限りなくある。何と自称(一人称)だけで、約五百種類もあるらしいのだ(昨日学校で習ったのだが…(笑))。自分より上の立場にいる人と話す場合は「わたくし」などを使い、友達や家族間では「ぼく」「おれ」など。地方へ里帰りした時には、その地方での方言をつかう……などなど、挙げていってはきりがない。確かに外国人が日本語を勉強し始める時などにはとても覚えにくいし不思議に思うかもしれない。しかし、自称をきちんと使い分けないと、その人の価値が下がってしまうこともあるのだ。例えば、テレビなどにもよく出ているような女優やアイドルが「我輩」や「おまえ」などと言っていたらどう思われるだろうか。もちろんイメージとしては下がってしまう。しかし、「私」「〜さん」などときちんと丁寧に話していれば、その人のイメージは上がるだろう。このように、島国言語は時と場合によって使い分けなければいけないのだが、それさえ出来ればとても使いやすいのだ。
 しかし、思っていることを誤解が無く伝えるためには、大陸言語のほうが分かりやすいだろう。例えば、「私は、姉と母がいるスーパーマーケットに向かった」という文があったとする。しかしこの文にもし読点がなかったとすると「私は、姉と母がいるスーパーマーケットに向かった」と「私は姉と、母がいるスーパーマーケットに向かった」という、両方の意味でとれてしまう。しかし英語にしてみると、「I went to the supermarket where there were sister and mother.」となり、二つ目の意味では取れなくなる。この例からも分かるように、大陸言語は伝えたいことをそのまま伝えることが出来るのだ。
 島国言語も大陸言語にも良いところがある。しかし、この二つ以上に大切なのは、母国語だ。僕は学校で週五時間も英語の授業を受けているのだが、やはり日本語のほうが使いやすいと思うことは何度もある。それに、いくらこれからの時代は英語が必須であるといえども、やはり一番たくさん使うのは母国語である日本語なのだ。なので外国語を勉強していくことも悪いとは思わないが、母国語の存在を忘れてはいけないと思う。

   講評   sugi

 「島国言語」「大陸言語」という言葉だけでは、なかなかピンと来ないことがあるかもしれないけれど、この意見文の中に出てくる実例や説明を読むと、とてもよくわかるよ。長文を読んでいない人にもわかるように書くというのは、簡単そうで案外難しいもの。意気陽陽君は、要約一つとっても、長文を知らない人にもわかるようにまとめてくれたね。これは本当に実力がないと難しいことです。
 学校で習ったことを、即、自分のものにして使ったり、中学から勉強し始めた英語を、「大陸言語」の代表として説明にうまく取り入れることができたね。勉強をすればするほど、またたくさんの本を読めば読むほど、手持ちのカード(実例)が増えていくので、作文の勉強はおもしろいね。
 「母国語が大事」という結論も、よく考えたね。自分がものを考える基礎は、やはり母国語。それがしっかりしているからこそ、さまざまな言語の違いについても考察できるわけだね。

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