国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   表現できない美   こゆき

 少年のころの桜は長く咲いていた感じだが・・・と春ごとに同じ思いを繰り返してきたが、今年の桜は久しぶりに長かった。ところが、散り始めのころのある日、枝を離れた花びらを見ていて、これが地面に達するまでのあいだの状態を、ぴたりと表す言葉がないのに気が付いた。一ひらまた一ひらと、自分の重みだけで木を離れ、OOOてゆく花びらのありさまをいう動詞は、簡単には見つからない。空気がそこにあるのだということを気づかせる程度の支えを受けて、静かに漂うがごとく、けれど「漂う」でもなく、もとより「降りる」でもない。「降る」でよいではないかとも思うのだが、雪よりも長く時間をかけて、浮かびながら降りてゆく一枚一枚の、数量と重量についての微小感覚が、「降る」には欠けていてもどかしい。花便りのいろいろの言葉を作り出し、育ててきた日本語だから、私のまだ知らないところに、あの美しさを表す言葉があるかもしれない。<要約>
 「綺麗だな・・・」
私の瞳に、ピンクの光景がうつる。いや、ピンクといっても、真ピンクという訳ではない。茎に近いほうほど薄く、先のほうほど濃くなっている。そう。ピンクの花が目の前に花瓶に入って置いてあるのである。花びらはまるで起きたばかりのようにぶわっと開いている。<例え>その花びらのピンクは淡いけれどはっきりしている面もある、言葉の範囲をこえたピンクだ。だが同時にピンクのマーカーペンを見ると、やはり真ピンクと言っていいほどピンクだ。人工の物なのか自然の物なのかがここで大きく関係してくる。人工の物で決められた色が多いのは、自然の物の色は、絵の具やペンキでは表現できない色、つまり言葉で表現できない色だからだ。<似た話>
 「ねぇ。それ美味しいの?」
私は漬物がきらいだ。だが新しい漬物が食卓に並ぶとそれを食べた姉や母に聞く。その度に、「美味しいよ。」などと言う。そこで
「どんなふうに?」
と聞くとみんな言葉に詰まってしまう。味覚を表現するのは一番難しいとされている、と聞いた事がある。そう考えてみるとみんなにとって結構迷惑だったのかもしれない(笑)。また「嬉しい」という表現があるが、いろいろな場合を簡単にまとめてしまった言葉であり、本当に言いたい事と異なる場合も多い。
<体験実例>
 私達の言葉は大変便利だが、表現できない物が多い。簡単にひっくるめてしまった言葉もとても多い。表現というのは人間にとってこれから考えてゆく課題である。そして言葉で表現できない所にも美がある事が分かった。<分かった事>花は自慢げにすましてつきでているようだった。<書き出しの結び>

   講評   koni



【第一段落】 すばらしい要約です。よくまとめていますよ。

【第二段落】 花の色を表現する言葉を見つけるのが難しいという体験実例を書くことができましたね。さすがこゆきさん、ピンクの色をうまく表現できていますよ。ぴったりくる言葉を見つけることは難しいと感じたんだね。ぴったりの実例です。「人工の物で決められた色が多いのは〜」の一文はさらにわかりやすく工夫できるかな。「私たちの周りには、人工的な色で着色しているものが多い。しかし、自然の物の色は、絵の具や……」ということかな。

【第三段落】 その他にも、言葉で表現するということが難しいことがたくさんあるね。体験実例を挙げて、具体的にわかりやすく説明できていますよ。

【第四段落】 一般化の主題もばっちり。よくまとめています。表現する方法は、言葉だけではないものね。確かに言葉は大事だけど、言葉だけに頼りすぎない方がいいのかもしれない。これからも、いろいろな角度から言葉について考えていこうね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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