国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   時間   あにせ

 「時間」を私達はどのように捕らえるべきなのだろうか。今、こうして一つ一つの行動をしている間にも時間は流れている。時間という枠の中で生活をしている。その時間を現代人は細かく分け、その通りに行動しようとする。時間を座標軸のように見ているのだ。小さい頃から将来を計画的に見据えていたりすると、あるところで失敗したりする。反対に、問題のあるような子供が将来大物になる、といった大器晩成型もある。これは成長に関しても言えることである。私は幼稚園の時あまり大きいほうではなかった。小学校も背の順は前の方で、背は低いほうだった。だが中学になってぐんぐんと伸び、今では幼稚園の頃一番大きかった子よりも大きくなった。現代の人間は大器晩成という考え方があまりできない。枠にはまり細かくスケジュールを立てその通りに行動しようとする現代の社会は問題だ。(社会問題の主題)
 第一に考えられる原因は、時間を惜しまない能率重視の社会になっていることだ。学校でこの時間は数学、次は英語といったようにやらなければならないことが全て管理され、無駄な時間を作らぬように私達は動かされている。ぼーっとする時間があるなら働け、いつからこんなに無駄を作らせないような社会になってしまったのだろうか。明治維新後の急激な近代化や、一九六〇年代に起こった高度経済成長による労働に対する意識のようなものが大きいと私は思う。「所得倍増」というスローガンまで掲げられ、国民はたくさん労働するようになった。より多くの仕事をこなそうと考え時間を惜しまず働いたのだろう。このような歴史が、現代の忙しなく働かざるを得ない社会へと繋がってしまったのではないか。(複数の原因1)(歴史実例)
 また第二に考えられる原因として、時間の感覚を現代人が失ったことだ。「HEROES」という映画があるが、特殊能力を持った主人公は時間を止めることができる。「時間を止める」といった感覚を私達が持つことはできない。だが時間は、考え方によれば実際に触れられるものとなるのだ。何もせずにただぼーっと空を眺め、雲が流れていくのを見る。意味のない無駄なことではあるが、それが時間を感じることのできる一瞬にもなるのだ。(複数の原因2)
 確かに、現代社会で生きていくには効率よく物事を進めていくことが必要だ。しかし、時間とはただ流れていくものではなく常に傍にあり感じられるものである。目の前の仕事を言われた通りにこなすだけが全てではない。たまにはドラえもんのような、時空を越えた想像をしてみるのも悪くないのではないか。私はそのように時間を捕らえたいと思う。現代の時間の枠にはまった社会は問題だ。(社会問題の主題)(自作名言)

   講評   nane

 状況実例をいろいろな面から書いたね。自分の体験をメインにして実例の種類を絞ると更に焦点が明確になるかも。
 「能率重視の社会」は、わかりやすい原因。工業製品を作るときは能率が大事だけど、人間の場合は単純にそうとも言い切れない。具体的なエピソードを一つ考えておくといいよ。
 「時間の感覚を失った」は、微妙な原因だけど、よくわかる。時間を味わうという感覚があると、人間の精神生活も豊かになるのだろうね。
 結びは、「現代の時間の枠にはまった社会は問題だ」とまとめてもいいけど、書き出しの文と同じだと変化が足りず機械的な感じになりそう。同じ内容を言い換えてみよう。

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