創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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集団 かおや
学校や会社などの集団の中では、イジメはほぼ確実に起こるものである。それに、大体のイジメは、2学期からなどある程度の時間が経過してから始まるものだ。これは、時間の経過によって引き起こされる、集団のマンネリ化を打破するためである。集団は最初は活気に溢れていても、時間が経つとマンネリ化して、活気を失ってしまうものである。このマンネリ状態において、集団の内部に敵が登場すると、集団は一致団結して、その敵を打ち倒そうとすることで活気を取り戻すのである。私たちは、集団の内部に敵を作らなくても、集団の活気を維持出来るようにするべきである。
そのためには、まず第一に、個々人がもっと強くなることだ。一人一人が強い心を持っていれば、集団は敵を作る必要が無くなるだろう。私の学校では、非常に珍しいことにイジメが起こらない。誰かと馬が合わないなどの小競り合いすらも無いという訳ではないが、クラスや学年全体でまとまってのイジメは今のところ起こっていない。これは、皆それぞれに、受験や部活、バンド活動など自分の目指すものをはっきりと持っているからだろう。一人一人自分の目指すものがはっきりとしていて、その実現のために、強い信念を持って行動しているのである。皆自分の目指すものがはっきりとしているので、イジメなどという非生産的なことに労力を費やしている暇など無いのである。
第二に、集団の中で情報を公開することだ。イジメや国家間における戦争などでもそうだが、集団が敵を作る際には、必ず情報の操作が行われる。第二次大戦下において、ナチスがユダヤ人を迫害することによって、ドイツ民族を結束させようとしたときにも、情報の操作が行われた。ナチスはユダヤ人の頭蓋骨を測って、何の根拠も無く、ドイツ人の頭蓋骨の形は優秀で、ユダヤ人のそれは劣っていると、国民に伝えたのである。その他にも多くの情報の操作がなされた結果、ドイツ人は、ユダヤ人を迫害することは当然と信じ込み数々の悲劇は引き起こされたのだ。このような何の根拠も無い嘘の情報が流されず、真実の情報が公開されれば、集団が寄ってたかって敵を打ち倒そうとすることも無くなるはずだ。
確かに、集団に敵を作ることは、集団の活気を維持するための最も簡単な方法だ。しかし、集団とはただ漠然とした人の集まりではなく、一人一人の人間が目的を持って集まって始めて完成するものである。集団において、一人の人間の価値は決して軽視されるべきではない。集団の利益のために、誰かが犠牲になってはならないのである。誰かの犠牲によって得た利益など後味が悪いだけである。集団の利益を目指すなら、誰も犠牲にならず、集団の全員が得をする方法でなければならない。人は一人では生きていけないから集団を作るのであって、集団の中で傷付け合うのではなく、助け合うのが集団の最も自然な形である。
講評 nane
集団の内部でのいじめというのは、微妙な話だけど、よくありそう。
第二段落にあるとおり、裏切り者や敵を必要とするのは、暇な人であることが多い。これから、だんだん人間が進歩していくと、そういう人は少なくなると思うけど。
第三段落の情報操作の例は、現代でもいろいろあるらしい。しかし、あまり現代のことを書くと裏づけがないから、このような歴史的な実例で書いていくといいよ。
第四段落は、同じ言い回しがやや多いので、むしろ意見を少なめにして「例えば」としてもいいかも。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
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