創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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間の取り方 ゆっきー
話し上手の人がいる。しかし、その人をおしゃべりとは呼ばないだろう。饒舌の人は、「間」を取ることに気が回らなかったり、「間」の必要性を感じていなかったりすることが多いのに対し話し上手の人は無意識のうちに、うまく「間」を取り入れている。いかなる名言、名文句も、同類の物がただ隙間無く積み重ねられるだけでは乏しく、文章の力もただそれだけでは弱みに転じてしまうのは苦い教えだ。荻須高徳のパリの風景画で、忘れられない油彩がある。空も建物も薄暗いパリの街角。ただ一点遠景の塔らしきものに朱が入って、そこに向かって画面が修練されていく。私はうまく間を取れたほうがいいと思う。
一つ目の理由は妹の話を聞いていて「うざい」と時々思うからである。
「あのね、今日ね…」
(あー今この口ふさぎたい……)と時々思う。これは妹が間を取るのが下手だからだと思う。
妹は時々わざと相手に口を挟まれないように、一息で話してしまうことがある。
「合唱部入ればいいのに……」
誰かが言うと、妹はこういう。
「えーけどまあ確かにおやつもらえるみたいだし友達も入ってるけど練習きつそうじゃんそれに先生が無愛想だから絶対ヤダ」
妹はこれを一息でしゃべれるのだから、すごい肺活量である。まあこれもある種の「間」の取り方なのかもしれないと思った。
うまく「間」を取れるのはいいが、「間」を取るために話をそらしてそのまま戻らないのはいけないと思った。
講評 inoko
ゆっきーさん、こんにちは。
自分の考えをわかりやすく話すのは、とても難しいことです。伝えたいという気持ちが強すぎると、先を急ぐあまり、一気に話してしまい、何を言いたいのか理解してもらえないということもよくあります。話し上手の人の話し方を、よく考えてみましょう。聞き手が相槌をうったり、考えたりする余裕を与えてくれていますね。これが、この長文に書かれている「間」なのです。話し上手は聞き上手とも言われます。話し上手の人の話を熱心に聞いて聞き上手になり、そして、自分も話し上手になれればいいのですが……。
☆ 理由が一つですね。似通った理由でも構いませんから、もう一つの理由を書いてみましょう。妹さんの話はおもしろい。夢中で話している様子が見えるようですよ。
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