創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「不可能」から「不」は消える   ふえふきねこ

 モグラの体は、他の食虫類と同じように原始的だが、トンネルを掘って掘って掘りまくり、ミミズを食べて食べて食べまくる生活に合わせて前足だけ特別に発達している。人間の手は、木片や動物の骨や石や、つまり自然のものに働きかけてそれを意図的に作りかえ、様々な道具を作り出すことができた。人間の祖先が作った道具は、それが仮に単純な物であっても、やはり人間が意図的に、人間の意志によって作った物である。
 カモシカや、チーターは俊足だ。その姿もかなり美しいものである。人間はとても追いつけないだろう。だが、新かん線や、スポーツカーなどに乗れば、その速度に追いつく。それと、人間と動物のちがいについての伝説を、耳にしたことがある。
「昔、ある兄弟が森の動物全てを集合させ、優れた道具や、武器を授けた。鳥には美しい声、ライオンには鋭い牙、キリンには長い首、シカには俊足を。集合した動物全てに授け終わった時、人間がかけこんできて、
『私にも武器を下さい。』
と言ったのだ。兄弟は大変困った。二人で色々考えたすえ、良い案が出た。
『よし、お前には頭脳をあげよう。』
こうして、鋭い牙も俊足も、長首も持たない人間は、考えることの出来る頭脳をフル活用してきびしい世界を生き抜き、子孫を残すことができたのだ。」
という伝説で、人間は頭脳を持ったので、生き抜くことができた、という内容だ。この話を聞いて、人間は頭脳があれば誰よりも優れていて、不公平ではないか、と思ってしまった。しかし心の中で誰かが、
「ふっ、公平じゃないか。」
と公平を支持したので、その思いも消滅してしまった。そういえば本で読んだが、すみを吐くだけであとは何もないタコが、ビンの中にいるカニを食べるために割ろうとしたり、乗っかったりして試行錯誤し、結局は足をふたにまきつけて開ける、ということにたどり着いた。武器を所持しなくとも、頭脳があれば別の道ができる、それをこの実験で知った。
 人間はときたま、他の動物がうらやましくなる。望遠鏡を使わずに、千キロメートルも先の景色を見たいだの、刃物を使用せず、木材、紙、食材を切りたいだの。数えきれない。だが、他の動物は持っている能力に合わせた生活をしなければ、鯖がいばるサバイバルで生き残れない。頭を使えば、人間は俊足になり、遠方も一望できる。水に深くせん水することもできれば、空中飛行もできるのだ。しかし、モグラはいくらすばらしいトンネルが掘れたって、自己満足にすぎない。それだけだ。土の中で一生くらし、ミミズを食べまくる生活。何と心静かでつつましい生活なのだろうか。ライオンは百獣の王と言われるが、もしかすると人間の方が強力かもしれないし、ライオンのほうが人間をごちそうにする立場になるかもしれない。やはり、道具しだいではなく、考え、迷って、決めたことを実行に移す。人間は戦争や天災が無い限り、平和だが、動物たちは私が作文を書いている間にも戦い、死んでいく。かといって必ずしも人間の平和が続くとは限らない。人間も、いつサバイバル生活になるのかは分からないのである。
 人間とは、やはり動物の中で最も優れた動物であるといえる。当の体で超音波を聞きとることはできないし、宇宙へ行くこともできない。そのままでは不可能なことが、頭脳の良し悪しによって可能にもなる。手や足を使って不可能から不を消すのは、不可能である。それらを動かすのは脳であり、自ら動かす能力は手足にはない。どんな人でも自分なりに考え、物をつくりだすように、全ての生き物には必ず他にはないとりえがある。そしてその優れた所を上手に使い、今日まで生活していることがしみじみと分かった。生き物はみな天才であり、博士のようである。自分の住む世界を知りつくしている全ての生き物たちは、今日もどこかでサバイバルを繰り広げているはずだ。

   講評   kaki

初めの内容から、さらにレベルアップしたね。あたらな語句に変えた箇所がたくさん見られました。
パソコンから、この作文の得点やグラフを見ることができるのですが、その項目の中の「表現語彙」が、なんと89点で、高校生のレベルを超えています。これは、例えば、作文に「おどろく」という意味の文を3つ書くとき、3つとも「おどろく」という語句を使うのではなく、「面食らう」「たまげる」「目玉が飛び出る」というふうに、ちがう表現で書いたら、点数がアップします。つまり、光美ちゃんは、いろいろな表現を知っていて、さらに使いこなせるということが、この点数から証明されたのです。すばらしい! これも、きっと日ごろからの読書と、朝の音読の成果だと思います。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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