国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「型」意識   ビーバー

 能役者の動きを見ると、人間の自然な体を拒否しているためにとても自然な人間の動きのようには見えない。能役者に限らず、日本人は不審者を除き日常的に少し不自然な動きをすることが多々ある。剣道では腰に板を入れ、背筋がどんな体勢を取っても伸びるようにしていたり、食前後に目の前の食べ物や作ってくれた人に感謝の意を「いただきます」「ごちそうさま」で表したり、外国人はしないであろう行為である。しかし、最近は西欧の考え方に押され気味なのか、「いただきます」を言わなくなったという。日本人として、そういった伝統的な言葉は言うべきだと思う。私は、外見と中身が乖離している社会は問題だと思う。(書き出しの工夫)
 そうなってしまった第一の原因は、日本の「型」文化を社会が否定してしまったことである。日本では「武士道」というように、型がかなり重要視されていた。例えば、正座に流派があることを知らない人は少なくないだろう。今の社会で一番個人的に許せないのは、「左側通行」意識の希薄化である。私は歩道橋や階段などで右側を歩いてくる人を見ると、無性に腹が立ってしまう。日本の武士道では左側通行が原則なのに、なぜか守られていない。一般車道ではもちろん、自転車が車道を走る際も左側を走らなければならないのに、向かいから逆走してくる自転車が多い。逆走禁止は道路交通法で規定されているのにも関わらずである。あれは自転車を趣味とするものとして、許しがたい行為である。(体験)
 その第二の原因は、科学技術の急激な発展により、従来の型では生活に対応できなくなってしまったことである。最近は年賀状をメールで送る人が多い。携帯のメールで送ってきたり、学校専用のサイトの「伝言メモ」なるもので送ったりと、紙は一切使わない。これはおそらく、メールの普及で手紙が不便になってしまったからだろう。まず手紙では届くのに最低でも3日ほどかかるし、今はあまり切手を自分で貼るタイプはないが、切手代やはがきそのものの代金もかかる。時間もお金もかかるのである。ほとんどの家庭ではまだ丁寧にはがきを使って書いているが、そのうち型が破れてきてメールが主流になるかもしれない。年賀状自体を放棄する人も出てくるだろうが(笑)。
 確かに、型を決め付けてしまえば発展をすることはなくなってしまう。しかし、そういう場合は社会の現状などを考慮した上で、また新しい型を作り上げてしまえばいいのである。「型とは範囲を制限するものではなく、中身をより洗練するものである。」そういった意味でも、型は絶対に失われてはならない。日本は今までのすばらしい型を時代の移ろいにより失いつつあるが、その時代の移ろいに型を対応させればいい話である。むしろ、型がなくなっても発展することはできないだろう。型によって心身を同次元に置くことによって初めて、美しい動きも存在しうるのである。こういった「型」への意識が希薄な社会は問題であり、「型」の文化を日本に復活させることが今求められている。

   講評   nane

 能や歌舞伎の動きを、今度、この長文をもとによく見てみるといいよ。
 日本には、欧米の基準では理解できない文化がまだたくさんあるみたいだね。
 左側通行意識の実例は、面白い。型の文化というほどではない感じもあるけど(笑)。
 型の生活では対応できなくなった現代社会というのは、いい原因。日本文化のよい面が失われるというのは、それらの伝統が伝統に胡坐をかいているからという面もある。相撲や柔道なども、国際化の波にさらされないと、現代に対応したスポーツにはならないだろうからね。能や歌舞伎も、そういう進化が求められているのかもしれない。 
 「型への意識」は、これからいろいろなところで話題になりそう。具体例をもう一つ考えておくといいよ。

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