国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自然の美   かおや

 私は、美術館を見学することは好きなのだが、未だかつて、芸術作品を見て心の底から感動したことがない。教科書に載っているような有名な作品を見ると、さすがに凄いなあとは思う。だが、これはあくまで町中で有名人を見かけたような感覚で、作品そのものに対する感動はあまり無い。私は、海に沈む夕日や、夜空に輝く星を眺めているほうが断然心が満たされる。芸術作品は美を意識しすぎたが故に、作品が私に対して感動することを強要してくるように感じるからだ。それに対し、素朴な自然は私に何も強要してこないから、不思議と心が満たされる。私たちは、自然の持つありのままの美というものに、もっと目を向けていくべきである。
 そのための、第一の方法としては、自然と触れ合う機会を多く持つことだ。私は、沖縄の西表島を訪ねたことがある。西表島は、イリオモテヤマネコなどの珍しい動物や、貴重な原生林が残っていることで有名で、言うなれば自然しか無い島である。自然しか無いということは自然しか見るものが無いということで、私は滞在期間中大いに自然の美しさに触れることができた。西表島から帰ってくると不思議と、今までは意識しなかった街路樹や庭の花など、都会に残された僅かな自然も美しいと感じるようになっていた。このように、普段は意識していないが、私たちの身の回りには十分に美しい自然が残されているのだ。自然と触れ合いたいのならば、然るべき場所に行くのが最も好ましいが、まずは、身近な自然を感じることから始めるのが良いだろう。
 第二の方法としては、美に順位を付けるような美術教育や感覚を見直すことだ。そもそも、美という、私たち人間には計り知れないものの価値の尺度を画一化して、順位を付けるなどということは不可能である。かつて、世界の至るところでは、身分制度が設けられ、生まれによって、人間というものの価値に順位が付けられていた。私たち人間の才能や、内に秘めた可能性は計り知れないもので、生まれなどという単純明快なもので個人の価値に順位を付けるなどということは、不可能である。それ故、世界の至るところで身分制度は壊されていき、現在では、身分制度は世界に存在していない。美に順位を付けるという考え方も、身分制度のようにいずれは壊されていくべきものである。
 確かに、芸術家が長い時間を費やして作り出した芸術作品は評価されるべきであろう。しかし、美は弛まない意識の力で作り出されるものではなく、無意識のもとで自然と醸し出されるものである。必死に化粧を厚塗りしている女性よりも、化粧をあまりしない女性のほうが魅力的に感じられるものだ。芸術作品は美しくあるために生み出されたせいで、美しくあることではなく、自らの美しさを世に見せつけることが目的になってしまった。それに対し自然は、美しくあるために生まれたものでは無いので、無意識に美しさを醸し出しているのである。自然の持つ謙虚な美しさに目を向ければ、私たちも少しは謙虚になれるはずである。

   講評   nane

 書き出しは、プラスの例の方がインパクトがあるので、自然の美を見て感動したというような話があればそれも入れよう。
 西表島の例は、貴重な体験。ここで、もうひとこと面白いエピソードを入れてみるといいよ。
 社会実例に広げて書いたところがいい。ここも、できれば、社会的なエピソードを入れてみよう。
 「自然の持つ謙虚な美しさ」というのは、いい表現だね。

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