創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   本当の美   紫式部

 本来の美とは、自然の創り出す造形物にもともと備わっているものである。人間はその美に惹かれ、あやかろうと創作活動をしたりする。だが、創作活動をすることで必然的に生み出される醜の存在が、美と醜という二つの対立概念を生み出し、逆に美醜を超越したところにある自然美に到達するのを困難にしているのだ。美を求め、創り出していくことは大切だが、私たちは自然が本来持っている美にもっと注目すべきである。
 そのために考えられる方法は二つある。第一の方法は、自然と触れ合う機会をもっと持つことだ。小学校の時、近くにある小さな森のなかでよく過ごした。池で遊んだり、花や木や虫など自然の中の生き物を観察した。「トゥットゥルー」と山鳩が鳴く声、池を泳ぐ小魚たち、雨上がりの朝などは八角形のくもの巣についた水滴が光って、美しい自然のレースができる。自然の中には人工では作ることの出来ない美しさがある。しかし、わざわざ森へ行かなくても自然の美しさを感じることは出来るはずだ。例えば、空を見ると刻々と表情を変える雲、降ってくる雨や粉雪。そよ風や空っ風、道端に咲いている小さな花々。様々なところに自然美は在る。つまり、自然と触れ合うことで、ありのままの美しさを実感できるのだ。
 第二の方法としては、美に順位をつけるという考え方を見直すことだ。絵画に順位をつける。ミスコンなどは容姿の美しさに順位をつける。しかし、自然には順位はつけられない。自然に咲いている野に咲く花に順位がないように。人間だけが様々なものに順位をつけたがり、ありのままの美しさを見ようとしない。このように、なんにでも順位をつける考えは良くない。
 確かに、美を追い求めて創作活動をすることは大切である、芸術家の作るものを私たちが美しいと感じる場面は多々ある。しかし、人間の手が加わっていない「自然美」というものにも目を向けるべきである。「美とは創り出すものではなく見つけ出すものである」というように、注視しないと案外見逃してしまう自然の美に気がつく人になりたい。

   講評   kira

 紫式部さん、こんにちは。自然と人間とは、なかなかうまく折り合えないようです。人間の思惟が入った美の創作が始まったことで美の反対側にある観念がうまれてきて、比較する見方も生まれました。自然本来の美をとりもどしたいですね。
 紫式部さんの小さな森の体験は、たいへん美しいね。ひとつの物語が綴れそうな、はっとする美の発見があふれています。こういったものを、もっと身近な日常でも感じとるようにすることが大切なのですね。
 美に順位を付けることへの反省も考えました。ここで、どうして順位がついてしまうのかと、社会実例もいれてみるといいでしょう。
 いい自作名言ができたね。美とは見出すものということは、ほんらい人間の内なる世界に備わっているものなおでしょうね。それをやさしく表現できる人になりたいね。
  

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