低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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美とは かいろ
美とは本来、自然の造化による創造物の性質をあらわす言葉である。だから、美はたとえ人類が滅亡しても自然が存在している限り、人間とは無関係に持続し続ける性質であることを覚えておかなければならない。自然の美の本質は、美醜の対立を超越したところにある。自然には醜いものがない。どんなものもそのままの性質において美しいのである。美の基準は個性におかれ、醜と対立する美という範囲内でしか考えられなくなり、自ら美の次元を低い段階に限定する状態となっている。今、人間に必要なことは自然美にもっと注目すべきであるということだ。
そのための第一の方法は、自然と直接ふれあえる機会を多く持つことだ。現代では私たちの身の回りはほとんど機械に囲まれている。外に出れば、車が行き交い排気ガスが空気中を充満している。私たちは、普段その空気を吸っているのである。だから、山登りに行き自然が溢れているところに行くと自然が創造した空気に触れることが出きる。私は何度か登山をしたことがある。そこで吸い込んだ空気はとても新鮮で、普段吸い込んでいる空気とは全く違っていた。この美しさに気づくためにも新鮮な自然の空気を吸う経験を持つために自然とより近くでふれあうことが大切である。
第二の方法は、美に順位を付ける教育は正していくことだ。作年ミスユニバースに日本人が選ばれた。これは、とてもすばらしいことだが本来このように美に順位を付けることはおかしいのである。みんなそれぞれの美しさがあり、その美に順位は存在しないのだ。
確かに、芸術の価値をあらわすことや追求していくことも大切だ。しかし「美とは作る物ではなく創造されるものである」という名言があるように私たちは自然そのものを評価すべきなのである。
講評 kira
かいろさん、こんにちは。自然と人間とは、なかなかうまく折り合えないようです。人間の思惟が入った美の創作が始まったことで美の反対側にある観念がうまれてきて、比較する見方も生まれました。自然本来の美をとりもどしたいですね。
自然ともっとふれあおうということでは、自分の環境に自然が少ないと感じたのですね。空気のことを中心に書いたために、「美」というより「環境問題」の様相になってしまいました。たとえば、ふと電車の窓から見えた夕焼けに感動したとか、そういった小さな美をとらえてみてはどうでしょう。ささやかですが、自然美ですね。
美に順位を付けることへの反省も考えました。ここで、どうして順位がついてしまうのかと、社会実例もいれてみるといいでしょう。美も商品価値になってしまっていることも原因でしょうね。
いい自作名言ができたね。「作る」と「創る」の語義の違いに主題を託しました。ちょっと高度なたとえになっているので、解説のような一文を加えるのもいいかもしれないね。
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