創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

昨日0 今日3 合計3
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   成長のための要素   怪盗ピエナ

 現代社会では、個人の利益ばかり優先し、全体の調和を考えなくなってきている。このままでは、社会全体にひずみが出来てしまうことが問題である。
 その原因として考えられることは、情報化社会となり生身の人と人とのつながりが薄れたことである。家にいても、物を買えたり、世界各地の人とメールが出来たり、一見メリットが多そうだが、逆に考えてみれば、家から一歩も外に出なくても、それなりの生活ができるということだ。つまり、ほとんど人と接する機会がなくなる。もちろん世界各地の人と親しくなれる。けれど、言い換えれば、どこの誰かもわからない人とメールしているということなので、もしその人との約束を破ったり、その人を傷つけても、直接会うわけではないので、自分のメールアドレスを変えるだけでその人との関係は途切れる。しかし、直接会うことによって、その人とトラブルがあっただけで、姿をくらますことなんてそうそう出来ない。すなわち、家に閉じこもるばかりでなく、自分から外に出ることによって、自分のことだけでなく他人を思いやる心、その場の雰囲気を考えたりする能力が身につくのである。最近、暗いニュースが多いが、家に閉じこもりがちで、コミュニケーションが不足した人が事件を起こすケースが増えてきた。こういうニュースを見ると、コミュニケーションの大切を実感する。また、どんな団体スポーツでも、自分のプレーだけを重視している選手ばかりだと、いくら個々が強くてもチームとしては決して上にはいけない。チームの全体の力は、個人の能力の合計ではない。個人の能力の合計に+αされる。チームワークというその+αはとても大きい力である。よって、たとえ個人の能力が小さくても、その+αが大きければ、上位に食い込むことは大いにあるのである。
 その対策としては、もっと一人一人が自分から何か地域の活動に意欲的に参加することだ。最近では、そのようなスポーツクラブや料理教室といったものが増えている。参加することで、嫌でも人と接することができるのだ。
 確かに、全体のことばかりを考えていたら、個人ではなかなか成長できない。しかし、『人が成長するためには人の協力が必要である』という名言があるように、人との関わりは、人間が生きていくために必要不可欠なものなのだ。

   講評   mako

 うまくまとめました。よかったです。
 個人主義がくるところまできてしまったという感じかな。日本はもともと欧米のようなプライベート重視という感覚は少なく、どちらかと言えば「赤信号、みんなでわたればこわくない」のような行き過ぎた協調性が欠点になるぐらい人とのつながりを保つのが得意とされてきたのに、いつのまにか何とも自立不完全で中途半端な個人主義ができあがってしまったようです。新しいもの好き、舶来もの好きが裏目に出てしまったのでしょうか……。
 生態系の中で生きる力になるのは強さだけではないそうです。例えば、オスのライオンのたてがみ。大きくて立派であるほどメスにもてるのだそうですが、大きすぎると動きにくく目立って敵にねらわれるリスクを負うことになる。結局一番生き残れるのは、外見と力のバランスに優れたものになるというのです。
 個人も全体も大切です。でも、命あるものは部品ではないから単純な加算で全体を見とおすことは難しい。絶妙なバランス点はコンピューターで計算できない生活体験からのみはじき出される。日本のあいまいなバランス感覚を今こそ発揮すべきときかもしれません。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)