低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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理解の土台 紫式部
ヨーロッパで誕生した科学技術は世界に広がった。ヨーロッパにおいて科学技術は、で自国の文化と同心円をなしていたのに対し、その科学技術を輸入した日本では、同心円を形成せずに、中心が多くある複合的な構造を形成した。鉄砲の発明を例に挙げると、ヨーロッパは主体が自己展開、つまり、「騎士」から「兵士」への変化だった。日本は出自はそのままに、つまり、武士のあり方のまま鉄砲という武器を駆使するようになった。外国の文化が日常的に流れ込んでくる今、自国の文化と共存できるような形態に形を変え他文化を取り入れていくべきだ。
そのための第一の方法として自国のよさを学ぶことがある。自国の良さを知らなければ、安易に他文化を取り入れることにつながる恐れがある。まず、外国人は日本人が考えているよりも日本の文化に関心を持っている。そのことを認識しなければいけない。外国人が興味を持つ日本文化に、日本人自らが薄っぺらな知識ではあまりにもおそまつだ。外国人は日本人の力量を測るためにわざと社交の場で日本の文化について尋ねるというのは有名な話だ。外国人にしてみれば自国の文化も知らないのに他国のと取引するのはもってのほからしい。私たちはもっと文化についての知識を深めることが大切かもしれない。
第二の方法として上辺だけの模倣をしないことである。上辺だけまねをしても中身は空っぽの軽いものになってしまう。例えば日本にはいろんな国のレストランがあるのもそうだし、クリスマス行事の取り入れ方など、その最たるものだろう。日本人にとってのクリスマスとは、家族や恋人と過ごしプレゼントを交換し合う行事だが、欧米ではキリストの降誕を祝う祝日だ。このように他国の文化をかいつまんで、本来の意味を変化させた形で定着することが日本ではよくある。一方、他国の文化を上手に取り入れた例として、中国から伝わった漢字がある。日本人は漢字を訓で読み、大和言葉として使い、漢字から独自の組み替えをして平仮名を創った。これは外国の文化を日本の文化と融合させて創った世界に冠たるものである。
確かに他国の文化をどんどん取り入れることは必要である。しかし、自国の文化を理解した上でその文化に合った取り入れかたをすることも必要だ。「理解するということは上辺をなぞることではなく、鉱脈を求めて掘り進めていくことである」というように、深い理解を土台にして異文化を取り入れる必要がある。
講評 kira
紫式部さん、こんにちは。日本は外国の文化や技術を取り入れる場合に、たいへん柔軟な姿勢をもった国のようです。だからこそ、戦後からの目を見張る発展が可能になったわけです。しかも、日本的な文化の伝統も失っていません。
いいこと尽くめのようですが、これはふとバランスを崩せば、日本が上辺だけの薄っぺらい文化の被りものを身に付けていい気になっている状態になりかねません。
まず、日本の文化を語り、紹介できる力を当たり前に身に付けて、中途半端な模倣を楽しんだりせず、精神を軸に発展して行く必要がありそうです。
いい自作名言です。接木をするにもものになる木がしっかりしていなくては始まりませんね。
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