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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   フィクションとノンフィクション   かつこ

 私は比較的本を読む方なのではないかと思う。その大半が推理小説やホラー小説なのだが、それらの本は、文字を読んでいるとは思えない程リアルな映像を私の脳に焼き付けてくれる。しかし、その一方で、私は新書を殆ど読んだことがない。ノンフィクション、というと、どちらかと言えば硬い内容の本が多く、のめりにくいのに対し、フィクションは読んでても面白い物が多いし、その分リアルなようにも感じるのだ。しかし、ありのままの「事実」を表しているのはノンフィクションであり、この点において、フィクションは、作者なり話し手が可能な限り真実に近づけた「仮想空間」を体験する事になる。では、どちらの方が、「本質」に近づく事が出来るのだろうか。
 まず、ノンフィクションの良い点は、不純物が限りなくゼロに近いという事である。事実を編集する段階において、多少なりとも編集者の意図なり考えというものが反映されるだろうが、全てが「事実」で構成されている分フィクションよりも、「ありのまま」を体験できる事になる。ある時、マクドナルドでカードゲームをしていた同じ学校の生徒に注意をした事があったのだが、それが噂となって最終的には、私がその生徒達に「死ね」と言った、という内容になってしまっていた。人が人に伝える過程で、それぞれが脚色してしまったせいで、全く事実無根の話になってしまったのだ。その点事実しか伝えないノンフィクションは、より本質に近いものを伝えられる。
 逆に、フィクションの良い点は、読者や聞き手の感情に訴えかけるように、脚色できるという事だ。いくらありのままの事実を表現しても、それに共感できなくては読者はリアルな体験はできないのだ。その点において、フィクションはより本質に近づけるためにも簡単で便利な方法だと言える。最近映画化されたある本に、「犬を飼う時の十の約束」というのがあるのだが、その本にでてくる十の約束が、現代の日本における飼い主と飼い犬の関係を実に良く表していた。例えば、「あなたには学校に友達がいます。でも私にはあなたしかいません。」など。犬が言葉を話せるわけが無いので、これが事実であるはずはないのだが、それでも、犬を飼うということという本質を突いているように私には思えた。たとえそれが事実ではなくても、作品を媒介として物事の本質を伝えることはできるのだ。
 フィクションとノンフィクション、本質を表現するためにはどちらの方がより適しているのか、という問題は、確かに重要かも知れない。しかし、私には結局どちらも同じように思える。どちらも、アプローチが違うだけで、作者が本質を表そうとしているのに変わりはないのだ。真に重要なのは、そのような手段ではなく、結果である。読者が、それを通して作者の伝えようとした事を共有できた時、初めて作品は意味をなす。いずれの手段をとるにすれ、作品が作者1人だけの世界に終わってしまってはならないのだ。

   講評   nane

 総合化で、「本質を表そうとする」は、これからも使えそう。覚えておくといいよ。
 国語の問題は、よくがんばった。分量が多くて、読むのが大変だったでしょう。
 解説を読んで、どうしてそういう答えになるのか確かめておこう。

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