国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   親から受け継ぎ変えてゆく   ショウ

 人間は他の人間と自由に交わることが出来る。相手を誰に選ぶかは、自由であり、別の見方からすれば偶然である。しかし、そのような人間関係の中で、ひとつ例外がある。それは、親子の関係である。親子関係だけは、「選ぶ」ものではない。こればかりは生まれた瞬間に決められてしまっているので、どうにもならない。しかし、親子という関係が今、問題化してきた。むかしのように、スムーズな関係ではなくなってきたのだ。なぜそのようなことが起こったかというと親とこの関係が異質化してきたということがひとついえる。かつては親と子が同じ経験を共有していた。つまり、昔は親が得た経験をそのまま子に伝えていたのである。ところが、現代社会ではそれがだいぶ変わってきた。育児の段階から親と子のあいだに大きな溝が出来ているのだ。いずれ、その子は親と違った存在になってしまう。僕は、子供が親からいいところを受け継いで、かつ、親とは別のこともすることができるような社会がいいと思う。
 その理由として第一に、いいところを受け継がないと、それまでの人が培ってきた努力が無になってしまうからだ。いいところを受け継がずに、なんでも自分で新しいことをやろうとすると、今までの歴史人が一生懸命してきた努力の意味がなくなってしまう。
 また、第二の理由として、親と別のこともしなければ、進展がないからだ。親と全く同じことをしていたら、昔のままになってしまい、進展がない。例えば、僕は地理が好きなのだが、江戸時代、日本は鎖国をしていた。そのため、外国からあまりものが入ってこなかった。しかし、明治維新で開国をし、外国と交易をするようになったので、たくさんの外国のものが入ってきて、今の日本につながっている。
 確かに、親とはまったく別のことをして、世界を新しくしようとすることも大切だ。しかし、「脱皮をできない蛇は滅びる」というニーチェの名言があるように、理想的なのはやはり受け継いで、かつ新しくするということだと思う。

   講評   hamati

●構成:理由として「いいところを受け継がないと、それまでの人が培ってきた努力が無になってしまうから」「親と別のこともしなければ、進展がないから」ということを書きました。それぞれショウ君なりの意見で、とても興味深いものになっています。ショウ君の「親子」というものに対する考え方がよく表れていて、とてもよいですよ。
●題材:せっかく「今までの歴史人が一生懸命してきた努力の意味がなくなってしまう」と書いているので、それに合った内容の実例を書いてみましょう。歴史の先人たちが築いてくれたものの恩恵にあずかっている、といった例はないでしょうか。例えば、戦争は残酷なものだと人類の歴史が教えてくれているのに、今でも戦争がなくならないのは、先人達の教えを無視し、自分達の目先の国益を優先させている結果だという話などが書けますね。
●表現:名言の引用は、よい名言を思いつくことができましたね。親も子も新しい関係を作るために脱皮し続けなければならないのですね。
●主題:「子供が親からいいところを受け継いで、かつ、親とは別のこともすることができるような社会がいいと思う」と自分の意見をしっかり書きましたね。反対意見への理解もきちんと入っています。ショウ君は両親とどのような関係でしょうか。きっと作文に書いたような親子関係を築けることと思います。親はそれぞれ「必ずこれだけは子に伝えなければ」というものを持っているものです。それをどのように現代社会に生かすかは、ショウ君次第ですね。
●いよいよ長い夏休みに入りますが、有意義な夏休みにしてくださいね。今回もたいへんよくがんばりました。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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