創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   手段の知識     まりも

「冷戦が再び勃発する緊張が高まった年は何年か」。これは先日行われた定期試験の問題である。
年号について勉強していなかった私は一瞬ドキリとしたが、問題文をよく読み、知っている知識や文化的背景を元に「一九七九年」と答えたところ丸がもらえた。
テストは知識を試すところだと思っていたが、テストを通じても知識を得ることが出来たし、歴史の流れもより理解することができた。

テストのよい面は、知識をアウトプットし数値化できるところである。
「私は勉強が出来ます」「○○について細かい知識を持っています」といわれても私たちはその能力を判断することは難しいし、その正確性についても疑問が残る。
しかし点数や成績として数値化されていると私たちは容易にその能力を図ったり、今まで習ったことの理解度を確認することができる。その判断も公平なものである。
また目標が数値化されていると枠内での自分の位置をつかむことが出来るため、その目標にあわせて計画を立てることや勉強のペースメーカーにもなる。
いわばテストは、勉強の道しるべといえるだろう。以前私が受けた漢字検定の二級のレベルは高校卒業程度だそうだ。
テストがあることによってそのテストを越えることで「高校卒業程度の漢字力の取得」を一般に認められるし
勉強していても高校卒業レベルの漢字がどういったものか、自分がどの程度理解できているのかを知ることが出来た。

一方、特に日本においてテストの悪い面は、テストの問題の答えにふさわしいものだけが知識となってしまうことである。
この場合、いくら細かく勉強していても、テスト問題に要求される知識でなければ(補助知識として役に立つことはあり得るが)
基本的にそれは「無駄」な知識になってしまうのだ。PISAで高い学力が証明されたフィンランドでは日本で言うようなテストはなく、
指定された本を読んだ感想や学んだことをエッセイに書きレポートという形で提出し評価を受けるのだそうだ。
PISAの求める学力と日本社会で必要とされる学力は違うため条件は異なるかもしれないが
このような能動的な学習が本来の学習であり、そこで初めて本当の知識や学力といった能力が試されるのではないだろうか。
また、いまだ学力を重視する傾向の強い日本において、テストが出来るか出来ないかで能力が判別されるということは、
テスト用の知識のないものは「無能」と切り捨てられてしまうことを意味する。
私の友達には高校に行かなかった人や退学した人、勉強が不得意な人もいる。
しかしある分野においては細かい知識を持っているし、一般常識やマナーにとても詳しい人もいる。
テストの悪い面は、表面的な知識や数値にとわられすぎて本質的な能力を見落としてしまいかねないことである。

確かにテストには良い面も悪い面もある。しかし「辞書のような人間になることではなく、辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である。」
という言葉にもあるように知識は、手段であって、目的ではない。私たちはテストで良い点数をとるために勉強するのではなく、人生をより豊かにするために勉強するのだ。
日本の学力が低下しているというのも、勉強を目的として捉え、受験用の断片的な知識で済ませる風潮が影響しているのではないだろうか。
肝心なことはテストの有無にかかわらず、能動的に学ぶことである。

   講評   takeko

本当にいい清書になりました。持っている知識から正しい答えを導き出せるというのこそ、本当の実力ですね。

動く絵なのでパソコンから見てくださいね。

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