創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「競」を表に出すということ   神村修

 最近の教育の考え方として、何から何まで平等にし、順位はつけないといった考え方が出てきているようだ。例えば、運動会で騎馬戦を行わなかったり、順位付けが良くないからと、徒競走での順位をつけないところもあるそうだ。
 僕がその話を聞いてまず思ったのが、「足の速さだけなら誰にも負けん」と自負している子がかわいそうだということだ。その子にとっては、運動会こそが晴れの舞台であって、自分が主役になれる場所なのだ。そこで順位付けをしなければ、その子が主役になれる場所が無くなってしまう。走るのが遅い僕は、「あいつの主役の番やもんな。」と、開き直っていたため(笑)、「運動会なんて無くなればいいのに」と思ったことは一度もない。
 やはり人がそれぞれの得意分野で、「オレ1番」と、自信を持って言えるために、順位付けをするという考え方を持つべきである。 その第一の方法として、順位をつけて競争させるという方法がある。僕の体験では、学校で順位がつけられなかったため、塾での体験になる。それは、塾では定期的に、塾内実力テストというものを実施していたことだ。ここでは、塾内での順位、偏差値等がデータとして出てくる。そうすると、「なるべく順位上げよう」というように思えてくる。理由は、自己アピールのため。やはり自分に注目して欲しいというように思うのである。
 自己を認識して欲しいという思いは本能的なものとして人間に存在している。それはおそらく、他人に自己を認識してもらうことで、自分自身が、自己を認識できるからではないだろうか。順位をつけないというのは、その本能的な思いを、人間特有の、「理性」、「倫理観」といったもので、隠してしまっているのでは無かろうか。隠してしまうから、本能的に「このままやったらアカン。自分が埋もれてしまう。」と危機感を抱いて何か違うところで、自己アピールをしてしまう。それがいじめなのである。
 また、第二の方法として、競争をさせ、そこで、相手を尊重する精神を養うという方法がある。何か、どこかの教育目標みたいになってしまったが。
 例えば、人が何か目標、例えば受験だとする。受験に関しては、順位付けによって評価がなされている。ということは、受験の際は、相手よりも上の順位に行く必要があるわけだ。つまり、相手を自分が蹴落とさなければならない。闘争しなければならない。
 しかし、この闘争は、同じ受験生同士という意識を持たせ、お互いを尊重できるようにする。これを動物の本能と結びつけて考えると、サルがお互いケンカをした後に、毛繕いをするのに似ているかもしれない。これは、お互いが相手の自己を十分認識しているからこそ成り立つもので、また、お互いに自分自身の認識も出来ているからこそ出来るのである。これがいえるのは、順位をつけて、競争させてきたから、表で堂々と競うことができたということなのだろう。
 確かに、順位付けをすることによって、人間の優劣までもが決まってしまう状態にもなりかねない。そうなれば、順位が上の人間が、下の人間を見下すようになり、さらにいじめにつながるという意見もある。
 しかし、第二の方法論で述べたとおり、順位付けをするからこそ互いの尊重というのが出来る場合もある。それを、順位付けをせず、競争させないとなると、個性を遮断することになる。そうすると、隠れたところで自己認識をするためにいじめが起こる。
 つまり、競争の、「競」の字を、順位付けはいじめにつながるという浅はかな考えで闇に葬ってしまったが為に、「競」が隠れ、表には「争」の字が現れてしまう。悪循環に陥っている。    
 そうではなく、順位付けによって、表で堂々と「競」わせて、「争」よりも目立つようにすべきだ。そうして、「競」い合った方が、本能的にも、人間的にも、自己認識というものが、もっと大きい意味をもつようになる。そして、評価のされ方や、人間関係において、さらに大切なものとなるのである。

   講評   nara

 書き出しの修正はこれで大丈夫だね。このテーマは、それこそ神村君が中学生だったころから、常々訴えてきたことだ。それだけに、実感のこもった説得力のある意見になっているね。
 高校が神村君にとって過ごしやすい場だとすれば、それはいい競いの場が設けられているから、ということもあるのかもしれないな。

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