創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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日本人と外国人とのちがい イッタ
「そこをなんとか」という言い方はきわめてあいまいである。日本人は義理人情にからまれて、どんなに明白な拒絶の理由があろうと、相手に熱心にたのまれたらそれをむげにことわるのは、何か気がひけるように思ってしまう。日本人は決め付けを好まず、いつも融通無碍な可能性を残しておこう、とつとめるのだ。
ぼくは去年の夏休み、本をたくさん読んだ。特に物語をよく読んだ。ある日、いつもの通りちょっと早く起きて本を読んでいたらまるでぼくを待っていたかのように後から来た母に
「ごめん、ちょっとゴミだしに行ってきてくれない?」
と言われた。外国の人がこれを聞いたらすぐに
「いやです。」
とはっきり言うだろう。しかしぼくは
「うん、行くよ。」
と返事を返してしまった。それはなぜかというとぼくの心に「断ったらかわいそう。」という気持ちがちょっとでもあったからだとぼくは、思う。
母は、以前財布を持たずに駅に向かった、駅で財布が無いのに気づき、戻る時間が無いので交番で借りることにした。交番の人にお金を貸して欲しいと言ったら、
「交番の人は身分証明書がないと無理だ。」
言ったらしい。そこで母はあきらめなかった。
「そこを何とか」
と言って、交番の人が
「家に電話を入れて身分が証明されればいいです。」
と言ってもらい無事お金を借りることが出来たそうだ。
それについて母は
「日本人は、『だめ』と言っても強く頼まれるとなんとかしてあげたくなる人種なんだね。いい国民性だねえ。」
と言っていた。ぼくは日本人独特の優しさを感じて日本人に生まれてよかった、と思った。
日本人は外国の人とちがって日本独特のあいまいさを持っているということがわかった。日本人はどんなにがんこでどんなに強い人でも人生に一度はきっぱりと断らず、引き受けてしまうことがあると思う。それが日本の人なのだ。
講評 koni
ていねいに清書できましたね。読解問題も頑張ったね。
「西の魔女が死んだ」を読んでいるんだね。私も読んだよ。映画にもなったんだね。
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