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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ケーキミックス   かよま

 卵と粉をまぜ、オーブンで焼くだけでケーキができる、まるで魔法のような粉。これがケーキミックスである。このケーキミックスはアメリカで大ヒットし、諸外国でも売れに売れた。そして製造会社は次に進出すべき国として日本に目をつけた。日本では洋菓子やインスタントコーヒー、粉末スープ等が売れており、当然ケーキミックスも売れるだろうと販売会社は思い、日本でも売り出すことにした。日本ではオーブンはあまり普及していなかったが、ケーキミックスは炊飯器で調理できるように改良され、売り出された。しかし、ケーキミックスは売れなかった。主婦たちが残ったバニラやチョコレートで釜が汚染され、日本の食文化において重要な位置を占める、白くてきれいなお米が炊けなくなる事をおそれたからだ。これを知り、販売会社は日本から引き上げていった。
 私は小学5年生のときに田植えと稲刈りをしたことがある。両方ともすべて手作業で、非常に疲れるものだった。私は2つの作業をしただけで、かつ準備は自分でしていないのだから、昔の農民の苦労は大変なものだったろう。いわば生産者の苦労の結晶なのだ。だから、ご飯は1粒でも残すと怒られるような特別な食べ物なのである。
 江戸時代の農民に対する税は4公6民や5公5民という大変重い税だった。その税はお米で納めており、農民にとってはお金のようなものだったのだろう。また、税が重いため農民は雑穀を食べなければならず、おいしい白米を食べることは稀だっただろう。そのためお米が貴重な食べ物であるということが日本人の国民性にしっかりと残されているのだ。
 どこの国民にも長い年月をかけて培ってきた伝統がある。それはもはや変えようのないところで国民を縛っており、それを変えさせようとするのは無意味であるどころか有害であり反発をまねきかねない。外国と付き合うときには相手の伝統を認め、それを壊さないように外交や貿易をするのが正しいだろう。

   講評   hira

 国の成り立ちを一人の人間としてたとえたら、その人の価値は生きてきた歴史を抜きにして語れません。これは一般化すれば、日本のことだけでなくどの国に、どの人においても同じことでしょう。「日本人における米」を切り口に価値というテーマまで広げて書けたのは立派です。大変だっただろうけれど、これだけ隅々まで心を配って書きあげれば達成感は格別だったことでしょう! 
■第一段落 ● 三文抜き書き
 一段落目は感想文を書く前提として、長文の主旨を正確に読み取るために要約をします。初めてだったので、まずこちらから抜き書きの要領をお伝えしました。ですが、自分で考えて過不足なくよく要約としてまとめてくることができました。世の中一般に仕事のできる人は、相手のオーダーの少し上のレベルの仕事をしてくるものですが、かよまさんは、「かなり上」で仕上げてきたので、驚きました。物事に取り組む自分なりの姿勢を持っているのですね。すごい!
■第二段落 ● 体験実例
 田植えと稲刈りと日本人として貴重な体験を書くことができました。自分の経験から、むかしの農民の苦労を想像したところが印象的でした。こういう想像ができるか否かで、物事の読み取り方、感じ方の深さが決まってくると思います。「生産者の苦労の結晶」とたとえもレベルが高い。
■第三段落 ● 聞いた話・調べた話
 ここは「書かなくてもいいよ」としたところを、自分なりに知っている知識を加えて書き込むことができました。再び驚きました(笑・でも本当に!)。こういうところで「4公6民」というように数字が入ってくると説得力が増すね。お金と同じ価値を持ち、しかしその価値は自分の口には入らないと、歴史的角度からお米の重要性を説明することができました。
■第四段落 ● 主題 (まとめ)
 食糧自給率40%の日本ですが、米の貿易自由化だけは死守していますよね。長文、自分の体験、知識を元に考え、まとめに結びつけることができました。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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