創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人と自然からの学習   ニンジンスキー

 作曲に集中しているとき、不意に、音楽というものが、自分の知力や感覚では、捉えようもない(神秘的な)ものに思われることがある。自然から学ぶことはあまりにも多い。自然の(この地球の)記憶の層の、深い、遥かな連なりを見出すのは、私のような者には、とても容易なことではないが、せめて季節毎の変化の相、その推移を感じとれる感受性を身につけたい。私は自然に学ぶことが良いと思う。
 その理由は第一に、自然には私たちが考えているより遥かに多様であるからだ。少し前、私の学校の生物の授業で「葉のつくり」というものをやった。そのなかで「葉の付き方」にびっくりした。植物の葉に、ある場所から一気に小さい茎が出て、その先に葉がついているように見えるものがある。普通に考えれば、その小さい葉が一つ一つの葉だと考えるだろう。しかし、葉は、その一気に出ているところ全てである。葉脈が深くなって、ついには分かれてしまったそうだ。つまり、茎に見えた部分は、葉脈だったのだ。私たちの個性のように、自然も多種多様なのだ。自然にはびっくりさせられることばかりである。私は、自然に学んでその雄大な世界に敬意を払いたい。
 その理由葉第二に、「食物連鎖」などの生命のサイクルの巧みさがある。例えば、鳥は木の実を食べるが、糞の中には、木の実の種が入っているので、その木は繁殖範囲を広げることができるというような事だ。似たような例には、蜂と花がある。一般的に「虫媒花」といわれる花には甘い蜜がある。雄花の蜜を集めに来た蜂は、体に花粉をくっつけ、雌花に蜜を集めに行く。そして雌花は受粉して、子孫が出来るのだ。少し蜂が花に利用されているようにも感じるが(笑)。江戸時代の人々の生活には、そのようなサイクルがある。それは、お米から始まる。お米を収穫すると、わらが出来る。それで干草を作れば、家畜が育つ。家畜の糞は、肥料になる。というようなことだ。また、出来たお米を食べた人の排泄物も、肥料になる。江戸時代の人は、自分もサイクルの一部になろうとしていたのかもしれない。私の学校は、カトリックの学校なので、当然聖書を読む機会がある。聖書には、「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ」という一節がある。その言葉は、人の中でのサイクルを示したたとえだと思う。私も、人のために尽くして生きたいと思う。
 確かに自動車などは、自然では作りえないものだが、それによる環境破壊は、自然に学ばなければ食い止めることが出来ないだろう。名言に「経験は、最良の教師である」という名言がある。自然は、世界で最大の「経験」だと思う。だから私は自然に学ぶのが良いと思う。

   講評   hira

 さすが生物部。生き物から、自然から学ぶ素晴らしさが、多様な実例と表現で書き表せています。これもニンジンスキーさんという自然の多様性かな。
■第一段落 ● 是非の主題
主題を「自然に学ぶことは良いと思う」とするこことができました。
■第二段落 ● 複数の理由一 ● 体験実例
 「自然には私たちが考えているより遥かに多様であるからだ。」として、自然の多様さに驚かされた話を書くことが出来ました。人一人の毛細血管をつなげたら、地球二週分という話を読みましたが、本当に生きていることが不思議と思うことがあります。
■第三段落 ● 複数の理由二 ● ユーモア表現
 生命サイクルの巧みさとして、「虫媒花」、江戸時代の米を中心としたサイクル、聖書の一節と三つのそれぞれ異なる実例を用いて説明することが出来ました。こんな風に実例が書き分けられるところにニンジンスキーさんの知識力、好奇心の高さを垣間見ます。人間もサイクルの一部として「人のために尽くして生きたい」と結んだところが印象に残りました。
■第四段落 ● 反対意見への理解 ● 名言の引用 ● 是非の主題
 名言活用を超えて、自作名言ができました。自然は経験であり教師でもあるのですね。 
※表記 その理由(葉)第二に→(は)

※清書コンクール入選のおめでとう!

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