国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   トマトとプチトマトの差   キューピー

私はあの子より数学ができる。あの子は私より太っている。日常会話で耳にするのが、〜より、と他人と自分を比べる語句だ。自分と相手とのほぼ変わらない差をより大きくする、自分のアイデンティティを似ている他人から隔離するためなのだ。人には相手を自分より下の地位として見ることによって、自分が相手とは違うということを証明として自己満足してしまう。しかし、世の中ではそのような、人をけなして自分の地位を上げるようなことはあってはならないのだ。人々は自己満足のために、劣等感をいだくべきではない。

第一の方法は自分のアイデンティティをしっかり持つことだ。いじめや争い、人が他人と比べたがるのは、自分と似ているということや、同じような能力を持っていることが原因だ。日本では、たいていみんな、同じものを欲しがる。みんながルーズソックスを履けば、ブームが到来する。誰かが髪を染めれば、周りに広がる。そしてみんな同じような格好やしゃべり方をする。夏に日本に行ったとき、駅で見かける人々はどの人も同じように見えた。特に女子高生達は制服を自分なりにアレンジしていたのかもしれないが、それも特別というわけではなく、同じような格好をした子がたくさんいたので、他の子との区別がつかなかった。だから日本ではいじめ問題が相次ぐのかもしれない。

第二の方法は相手のことを気にしないことだ。人は他の人が違うものをやっていると、相手の物に惹かれたり、張り合ったりしてしまう。自分は自分、相手は相手、という考えを持つべきなのだ。最近アメリカでは、大統領選挙のキャンペーンの最中で、メディアでの候補者のCMがたえない。特に注目したのはマケインのコマーシャルだった。オバマの忠実なCMに対し、マケインのCMの前半は、もしオバマが大統領になったら、税金が上がり、仕事がなくなる、ということを主張する。そして後半に、マケインは国民を幸せに出来る、というテーマで終わる。現在マケインがオバマに押されていることをよくあらわしている。そして私には、マケインには自信がないというふうにしか見えない。

確かに、他人をけなすことで、自分を上げることで、モチベーションはあがるかもしれない。しかし、それは同時に自分から、自分に自信がないと主張していることでもある。「劣等感は恥である。」(自作名言)オリンピック選手は、ライバルがいても、けして相手をけなしたり、ねたんだりはしない。自分のアイデンティティが確立させている人は相手のことよりも、自分のことで精一杯なのだ。他人と比べる前に、自分自身を比べるべきだ。

   講評   ogi

キューピーちゃん、こんにちは。毎日オリンピックから目が離せません。アメリカ勢の活躍はすばらしいですね!

【第一段落】 自分の満足感を満たすために他人と比べるのは良くないという意見が、上手にまとめられています。ただし、最後の一文、「人々は自己満足のために、劣等感をいだくべきではない。」は、自己満足を得るために抱くのは劣等感ではなく優越感であるので、「人は自己満足のために、優越感をいだくべきではない。」とするべきです。
【第二段落】 同じであることは、かえって違いが目立つことでもありますね。同じにしたい、同じでいてほしい気持ちが「人と違って見えること」への反感につながります。みんながそれぞれ自分の個性に自信があったら、「違うから」という理由のいじめはなくなります。とてもいい方法です。
【第三段落】 他人と比べることで己を際立たせるよりも、自分は違うということをアピールするほうがずっと強いですね。大統領選のCMはその点でとても良い実例でした。
【第四段落】 「劣等感は恥である。」と、とても強い自作名言ができました。この場合、劣等感と対をなす優越感も同じくよくないものとして、「劣等感も優越感も」としてもいいかもしれませんね。最後の「自分自身を比べるべきだ」というのも、名言になりそうなかっこいい言葉です。

 

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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