創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   文化の取り入れ方   すいーとぽてと

 伝統の根を持たぬものは遊離した存在である。しかし、伝統を超えぬものは真に新しい存在とはならない。新しい存在によって伝統が受け継がれない時伝統は腐朽する。伝統を真に伝統たらしめるものは、伝統を超えた新しい存在である。今日見られる建築の「日本的」方向とは、一種の折衷主義である。そしてその技術はまた新しい科学の基礎の上に立っている。建物において「日本的」なものを主張する人でも、決して木造建築を大公共建築物において主張しはしない。新しい科学と技術との勝利がここにあるのだ。日本の文化において、新しい根の上に発展ができないのは問題である。
 そのための第一の原因として、日本の近代化が、西洋に追いつくことだけを主とした考え方であることだ。日本は少しでも西洋に追いつこうと、今でも必死に西洋文化を取り入れようとしている。そうして、外来語が定着し、私達の生活にカタカナは必要不可欠なものとなった。日本人なのに、英語で言われて理解できる単語が、日本語で言われると分からなくなってしまうこともしばしばある。電気機器の説明書には、カタカナが溢れかえっている。このことから、西洋のものにほとんど手を加えず、そのまま日本に持ってきていることがよく分かる。西洋のものはかっこよくて、日本のものはださいという意識を持っている人も少なくないだろう。古くからなじんできた自国の文化に、もっと誇りを持つようにすべきだと思う。
 そのための第二の原因として、日本の近代化は、和魂洋才をモットーにして、折衷文化を生んでしまったことである。日本は鎖国が終わると、どんどん西洋の文化を取り入れるようになった。そうしたことで視野は広がり、日本は急速に発展したと言える。しかし、これらの西洋文化は伝統の根を持っていない。そのため、より日本文化に合うように改良することができず、遊離した存在になってしまっている。畳の上に椅子やベッドを抵抗なく置くことができるのも、折衷文化が広まってしまったからだと思う。西洋では西洋に合った設計、日本では日本に合うような設計で商品作りをしていたのに、それらの文化を一緒にしてしまうのは少し無理がある。また、どちらが根になっているのか分からなくなってしまうので、それ以上成長できない。よくばって二つの文化を一緒にする考え方を見直すべきだ。
 確かに、いろいろな文化を取り入れるのは大切だ。しかし、成長とは他人の真似をすることではなく、他人を見てそこから得たものを自分のものにしたときにできるものである。日本の新しい芽を育て、その上に新しい根をつけていくことのできない日本の現状は問題である。

   講評   kira

 すいーとぽてとちゃん、こんにちは。文化論を扱うと、どれも似たような切り口になるから、そのパターンを自分のものにしておきたいですね。日本はせっせと近代化と西欧化をたどってきましたが、どこに接木しているのかという意識が希薄だったようです。
 第一の原因は西欧への盲目的な憧れですね。(9,1週と重なりますね。)「ださい」は俗語なので「野暮ったい」くらいにするとよさそうです。
 第二は無反省な折衷文化を生んだことですね。どちらが根になるのかわからないのは、問題ですね。
 自作名言は、以前に課題であつかった「守・破・離」と似ていますね。成長の本質はみな同じといえるでしょう。


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