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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   伝統の根を持たぬものは   かいろ

 伝統の根をもたないものは遊離した存在であるが、伝統を超えないものは真に新しい存在とはならない。新しい存在が受け継がれないとき伝統は腐朽する。明治以来の輸入文化は伝統の根を持っていない。それは新しい世界を開いたけれど、その新しい世界はどこか宙に浮いた、でなければどこかに空虚を宿したものであった。しかし、それは可能性の新しい展開でもあった。後ろに引き戻すことは出来ないが、宙に浮いたものを地につけ空虚を埋めることはできる。そこで出来たのが和洋折衷であり、そこに何か新しい文化が象徴せられているように考えられるのである。現代の日本の文化において、新しい科学技術を根とした発展ができていないところが問題だ。
 その原因の第一に、日本は外来文化を大量に取り入れ、自国の文化の良さを自覚していないことだ。日本の伝統的な食べものに握り寿司がある。握り寿司は、江戸時代に誕生した。そしてこれは、今では世界中の人々に親しまれている。このように、日本にも素晴らしい文化や伝統があるのだが、日本の文化をいくつかあげろと言われても多く言える人は少ないだろう。また、日本自身を知る機会も少ない。だから、日本のことを学ぶ機会をもっと増やすことが必要だ。
 その原因の第二に、常に日本は西欧を手本として追いつけ追い越せを目標にしてきたことだ。明治時代さまざまな物が日本に入ってきた。その中の一つに建築がある。西欧の建築構造は鉄筋を使ったものであった。それを真似て日本も今のような鉄筋やコンクリートを合わせた構造になっているが、そもそも日本が木造建築であったことには湿気の多い国にあうという理由であった。そうであるにもかかわらず、西欧のものは何でもかんで善いものとは限らないのだ。
 確かに、外来文化を積極的に取り入れることは、日本の近代化につながる。しかし「伝統とは真似ることではなく、自国で築き上げていくことだ」という名言があるように単なる折衷文化になっていることは問題だ。

   講評   kira

 かいろさん、こんにちは。文化論を扱うと、どれも似たような切り口になるから、そのパターンを自分のものにしておきたいですね。日本はせっせと近代化と西欧化をたどってきましたが、どこに接木しているのかという意識(台木の役割の認識)が希薄だったようです。
 第一は、日本の良さをわかろうとしなかったことですね。握り寿司は、今やSUSIとして世界にデビューしています。江戸時代のファストフードだったようですね。欧米のファストフードがジャンクフードとして危険視されているのに比べれば、寿司は優等生です。
 第二の原因は西欧への盲目的な憧れですね。(つぎに扱う9,1週と重なります。)追い付け負い越せを合言葉にしてきた為に、なぜが、洋風に価値を置いてしまうのですね。洗練されているからでしょう。洗練されたものは、アピールするからね。
 
 自作名言は、接木のしくみにも注目してみるといいね。伝統の側面だけでなく、接点が話題になっていると思うので・・・。上に足されるものばかり注目されますが、じつはどこに接ぐかが大事です。土台の意識をしっかり持ちたいですね。

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