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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自然   光龍

 夏の森に一歩足を踏み入れると、最初に出迎えてくれるのは、美しい若葉の緑でもなく、色鮮やかな草花でもなく、実はおびただしい数の蚊やブヨの大群だ。しかもその数としつこさは都会生活に慣れた私たちの想像を絶するものがある。だが、多様な木々、草花、虫たち、動物たち、風、匂い、光などすべてが深く関わり合って一つの大きな生命体として森は、生きている。森のすべての生命がそれぞれの役割をになって、ともに一つの生命のシンフォニーを奏でている。僕は、自然の中の一員であるという自覚をもって生きていきたい。
 そのためには第一に、すべてのものが助け合って生きていることに気づくことだ。僕らは、当たり前のように、家に入ってきたゴキブリやハエ・カなどの害虫を殺している。しかし、彼らの住んでいた場所を破壊して、家を造ったのは人間なのだ。「でも害虫だから。」などと思うかもしれない。しかし、それは人間からの視点で見たものなのだ。それと、「食物連鎖」という言葉も忘れてはならない。僕たちが有害だと思う動物を殺してしまうと、自然のバランスが崩れて、結局は僕たちに帰ってくる。後々のことも考えて行動しなければならない。
 また、第二の方法としては、地球も一つの命として大切に守ろうとすることだ。最近では、市街地の中で、数少なく残っていた草木さえも、マンションの建設などのために、どんどん伐採されてしまっている。森林を破壊することは、地球温暖化につながる。地球温暖化が進むと、まず困るのは地球なのだ。地球を人間と考えてみるとどうだろう。地球温暖化という病で傷ついている人を放っておくのか。この問題については、深く考えなければならない。
 確かに、快適な暮らしをするためには、環境を整えることが大切だ。しかし、「デモクラシーとは、奴隷にも主人にもなりたくないということである。」という名言があるように、生き物は皆平等なのだ。人間は、たまたま生き物の中で、最も進化して利口になっただけだ。もし、猫が一番進化していたら、四足歩行が標準になって、人間はペットになっていたかもしれない。所詮それだけの差なのだ。生き物や自然の中で、人間が支配者だという、考えをなくすことが大切だ。やっぱり僕は、自然の中の一員であるという自覚をもって生きていきたい。

   講評   tama

 しっかりと力をつけて、進級テストに臨んでくれました。

人間を中心とした生き方ではなく、自然とうまく共存することを深く考えさせられる文章であると思います。人間にとっての「害虫」も、自然にとっては大切な役割を果たしていること、「食物連鎖」についての考え方など、説得力のある実例が書けました。
 第三段落では、地球を人間と考え「病で傷ついた人を放っておくのか」と問いかけたところが、非常に印象的です。柔らかい文体でありながら、現在の問題に鋭く斬り込む意見に、思わずはっとさせられました。
 「人間が支配者だという考えをなくすこと」というまとめも、よくできています。自然と闘う、立ち向かうというのではなく、自然の中にいかに溶け込むかを考えることが必要ですね。段落ごとの字数のバランスもよく、全体的によくまとまっています。

 進級テストは合格です。おめでとう。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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