創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   挨拶本来の意味   みるく

人間および動物を通して、広義のあいさつ行動は、一体どのような時に起こるものだろうか。見知らぬ人でも知っている人でも、出会った時や離別に挨拶するのが一般である。特に未知の者同士は、お互いに警戒と不安を抱いているから、挨拶を入念に行う。動物だって、長い間会っていなかった主人に再会したら、尾をちぎれんばかりに振って、喜びを大袈裟に表すだろう。けれど、犬は先を読み取ることが不可なため、別離の挨拶を行うことが出来ない。                                                           
情報溢れる現代社会に気味悪いほど掲げられている運動は沢山ある。「エコ運動」、「塵ゼロ運動」・・・。その中に「挨拶運動」というのが挙げられる。昔は、常識中の常識だった挨拶が、未来を担うとされる若者に根付いていないらしい。だから、こんな下らない運動が始まったのだろうと予測するが、挨拶がどのような役割を担っているのかを説明出来る奴は、希少だと考える。それは、挨拶は言われたら返せばよいと単純に覚える人と、挨拶に必要性が分からない人がいるからだと思う。大抵の人は、「挨拶はどんな意味を齎しているか」と聞くと、「挨拶するように躾けられた」「挨拶をして鸚鵡返しのように返されると清々しい」と答える。挨拶は強制的に、また気分が良好になるからという単純な理由なだけで存在するのだろうか。
時の流れに沿って考えてみよう。昭和時代は、挨拶というのは恥じるものではない・当たり前だという確りとした意思を持っていた。挨拶という四文字だけで、人々は癒され、町は平和だった。比べてみると現代は物騒だなとつくづく考えることができる。派手で洒落た服を着飾ることができても、心の内を着飾るということを現代の若者は知らないのだ。寧ろ、挨拶をされると、逆に高圧的になったりそっぽを向いたりする。当然、こちらから挨拶などはとんでもないことだ。挨拶の実用性がまるで分かっていない。話は変わって、今度は語源について考えてみる。挨拶の代名詞とも呼ばれる「こんにちは」は、元々、「今日は〜」という文を簡潔に省略したものである。私は「〜」に当てはまる言葉を探してみた。挨拶をしたら気分は良好だと大半の人は口を揃えていう。つまり「〜」には、癒しの魔法の言葉が入るということだ。考えに考えた末、文が出来上がった。「今日は、貴方にお世話になります。共に過ごしていきましょう」どうだろうか。今日一日、私は貴方と共存しますよ、だからお願いしますねとこの文は述べているのだ。この文が、人々の頭に自然にインプットされて、だから気分が良好になるのだ。つまり、「こんにちは」というのは、他所のお宅にお伺いして、「お邪魔します」と言う言葉の意味と同じ役割を果たしているということなのだ。でも、お世話になる方だけに挨拶すれば良いという問題ではない。すれ違った人々にも、声を掛けるのが日本人の細かな礼儀なのであろう。挨拶を拒否する若者は、自分との共存をあからさまから否定することなので挨拶を催促する理由は、どこにも見当たらないだろう。
挨拶というのは、これから共存をするという前置きの言葉なので、言われると清々しくなるというのが分かった。だから、日本人の細やかな礼儀からすれば、挨拶をはきはきとする八方美人のような子は、日本人から見て、利口な子に映ってしまうのだろう。

   講評   inoko

 みるくさん、こんにちは。
挨拶は、すべての基本です。話すことができるようになった幼い子どもに、親は熱心に挨拶を覚えさせますね。挨拶さえできれば、とりあえずは人としてのポジションを確立することができるということなのかもしれませんね。ところが、最近は物騒な世の中なので、うっかり挨拶をして、それがとんでもないことにもつながりかねません。これは、みるくさんも書いている通りですね。挨拶本来の意味が、まるで崩壊してしまっている現代は、やはりおかしな方向に向かっていると言えますね。



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