国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   スポーツの目的   かおや

 2008年の北京オリンピックは無事終了したが、日本の選手と中国の選手を比較して感じたことがある。日本の選手は、オリンピックという舞台を楽しんでいるように見えるが、中国の選手は、ただがむしゃらにメダルを目指しているだけのように見える。日本の選手はメダルを取れなかったとしても、ベストは尽くした、出場できただけでも十分、といった感じで、世間にも大目に見てもらえる。しかし、中国では、ネット上で凄まじいバッシングが飛び交うなど、世間の反応はとても冷たいものである。競技会場での、異常とも言える過剰な応援も問題となった。日本など、多くの国では、スポーツは楽しむものであるという認識が為されているが、中国など一部の国では、未だスポーツは体を鍛えるためのもので、勝ってこそ意味があるという認識が為されている。スポーツに限らず、私たちの価値観は、従来の生産が第一というものから、消費を楽しむというものに変わってきている。しかし、私たちは、まだどこかで、旧来の価値観に捕らわれたままであることが問題である。
 このことの第一の原因は、現代の日本の教育が、競争第一という考えに捕らわれていることである。受験戦争の激化により、学校での勉強は、いかにテストで良い点を取るか、いかに他の人と差を付けるか、という所に重きが置かれている。勉強を楽しむなどという余裕はもちろん無い。私も中学受験のときは、勉強がただ苦痛でしか無かった。勉強は、テストで良い点を取るために、受験で成功するためにするものだとしか思っていなかった。今は、少し余裕が出てきたのか、科学で新しい単元を学ぶ時や、難しい数学の問題が解けたときは、楽しいと感じることがある。日本の教育は、受験のために競争ばかりを意識するのではなく、真の知識の探求を目的とするべきである。
 第二の原因は、消費を楽しむ文化が、まだ新しいということである。消費を楽しむ文化が登場してきたのは、米ソ間の冷戦が終了した頃である。私たちのような世代の者には、すっかり定着しているが、戦争を経験した高齢者や、高度成長期が終息する前の中高年の世代には、やはり生産第一主義が根強く残っているようである。戦時中の厳しい物資不足の中を生き延びた人や、戦後の高度成長期に国のためにと、がむしゃらに働いた人にとっては、やはり消費を楽しむなどという価値観は、受け入れ難いものなのであろう。
 確かに、私たちが今の豊かな生活を手に入れられたのは、盛んな生産活動があったからだろう。しかし、生産は目的ではなく、消費のための手段に過ぎない。スポーツの世界でも、ひたすら体を鍛え続け、勝ちを量産するのではなく、スポーツを通して、心を豊かにすることを目的とするべきである。まだ小さかった頃、公園で野球やサッカーをしたときに、勝ち負けを強く意識したことがあるだろうか。おそらく、ほとんどの人は、勝ち負けなんかはどうでもよくて、皆で集まって体を動かすことが、ただ楽しかっただけのはずだ。ただの子供の遊びでも、これは立派なスポーツである。スポーツとは本来このような姿であるはずだ。

   講評   nane

 スポーツの話から勉強の話に発展させて考えたんだね。
 中学受験のころまで勉強の楽しさというのは、やはりわかりにくい。勉強が楽しいというよりも、友達との競争が楽しいというゲーム感覚でやっているところがあるのだろうね。
 しかし、高校生になると、勉強の面白さがだんだんわかってくる。知的好奇心が成長する時期がちょうど中学3年生ごろからかなあ。
 消費を楽しむ文化ということも、よく考えた。スポーツも勉強も、更には人生そのものも、基本は楽しむことで、その楽しみの土台の上に、向上とか貢献とかいうものが出てくる。価値観を変えていく必要があるということだね。
 子供のころの話に戻ってまとめたところはうまい。書き出しの結びという形が印象的。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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