低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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文化の発展 すいーとぽてと
ヨーロッパの肉食率が古くから高かったのは、もとはといえば、日本では考えられないほど家畜飼育の容易な、牧畜適地だったからである。そして、ヨーロッパを牧畜適地にしたのは、要するに、自然に生える草類が家畜飼料にならないほど徒長するのを妨げる、独特の気候条件であった。ヨーロッパの穀物生産力が十九世紀始めまで、とても低いものであるとすれば、日本のような主食観念はとうてい生まれようがない。そこでは、ある意味で「パンはぜいたく品」である。過去の日本人が動物性食品に対して抱いた、「もったいない」という感じが、いわば裏返しの形で存在する。穀物であれ、畜産物であれ、主食・副食の別なしに口にすることが彼らの生きる唯一の道だったのである。だから、私達が何でも欧米のもののほうが優れていると考えるのは問題である。
その原因として第一に、戦後の発展において欧米の社会の豊かさ、文化水準の高さに驚かされたからである。日本は戦後、急速に発展した。三種の神器と呼ばれる、カラーテレビ・電気洗濯機・電気冷蔵庫が普及し、団地様式の家が主流となった。これらはすべて欧米の影響を受けての発展といえる。また、朝ごはんにパンを食べるようになったり、ミニスカートやジーンズなどといったカジュアルな服装が流行ったりと、生活様式が一変した。しかし、最近欧米から、昔の日本の朝ごはんが注目されていることからも分かるように、日本の良い点でさえも欧米化してしまったように思う。確かに、私も他国の生活スタイルが羨ましくなることがあるので、自国よりも華やかな欧米の文化に憧れてしまうことは仕方がないことだと思う。しかし、どんなに日本を発展させるためであっても、自国の文化の良さを見失ってしまっては、個性の無い国となってしまう。他国の文化を尊重すると同時に、日本の文化にも誇りを持つべきだと思う。
その第二の原因として、日本文化が欧米の文化のように洗練されていないと考えるからだ。1770年代、ヨーロッパでは産業革命が起こった。イギリスを中心にヨーロッパ各国で始まり、お互いの国に刺激を与え、自国の文化水準を高め合っていた。その頃日本は江戸時代で、ちょうど鎖国をしていた時期にあたる。そのため、オランダとの貿易はしていたが、他の欧米諸国での文化の発展を知る人は限られていたと思う。だから、明治維新が始まり、人々は余計に欧米の文化にカルチャーショックを受けたのだろう。日本の文化と欧米の文化は、根からまるで違うので、自国がそれだけ劣っているのかと不安に思ったかもしれない。しかし、今まで文化は、その国に合ったように発展してきた。だから、必死にヨーロッパに追いつこうと焦らなくても、他国を参考にして自国の文化水準を高めていこうとすれば、日本の文化が洗練されていないとは感じなくなると思う。
確かに、より発展的なものに憧れ、それを目指すことも大切だ。しかし、文化の発展とは、他国に追いつくことではなく、他国との関わりの中で自国に合った発展方法を見つけていくことである。私達が欧米のものは何でも優れていると考えることは問題である。これからは、アジア各国の文化にも目を向けたり、自国の文化と向き合ったりすることが必要になってくると思う。
講評 kira
すいーとぽてとちゃん、こんにちは。新しい課題も頑張ろうね。
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