国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   共存の方法   

 映画「地球交響曲」の撮影のため、フィンランド北部ラップランドの森を歩いた。あらゆる草木が一気に芽吹き、花開き、萌えるような緑に包まれるラップランドの夏の森は、まさに全ての生命が一体となって奏でる地球交響曲のコンサート会場といった雰囲気であった。しかし、ラップランドの森は真の野性が保たれている大自然である。そこには安全に隔離された観客席はない。もし森が奏でるシンフォニーを聴きたいなら、自分の五感すべてを解放し森と全身で対話して、自らも演奏者の一人として加わらなければいけない。
 私は自然の中の一員であるという自覚を持って生きていきたい。

 そのための方法としては第一に、自分の利益ばかりを優先させないことだ。人間は発達した技術を持っているがゆえに、邪魔なものは力でねじ伏せてしまおうとすることことが多い気がする。人間以外の自然や生き物に対してもだが、まず人間同士でもそのようなことが起こっていることが問題だ。例えば、今年北海道で行われた洞爺湖サミット。首脳同士の話し合いの議題が地球温暖化を促進させている原因の一つの二酸化炭素の排出量についてに移ると、たちまち各国で意見が割れた。自然を守ることを優先すべきだと言っておきながら、なお国益を豊かにしたいと頑固に言い張って動かない発展途上国、温暖化にもっとも拍車をかけているくせに見て見ぬふりで責任転嫁の先進国……。結局まともに意見がまとまらないまま、目標だけ打ち立てて終わる始末となった。こんな悠長なことをしていては環境破壊はますます進むばかりだ。「地球に優しく」といっておきながら自国の産業の発達や金儲けのことも譲れないというのは少々自己中心的な考え方ではないか。環境破壊を押し進めて被害を受けるのが人間だけならまだ良しとしても、地球には人間以外の生物はたくさん存在している。自分たちの目先の豊かさだけを追い回さず、まわりのことも考えながら少し抑制することも大切だと思う。

 第二の方法としては、どんなに脆く見える命でも、命は巡り巡って連鎖しているという事実に考えを巡らせることだ。先にもいったように、人間は高い技術を用いたものを駆使することで容易に自然に猛威を振るうことができるし、実際に産業革命時代ごろから無茶苦茶やってきたらしい。実際にその時代には生きていなかったので知ったようにはいえないのだが(笑)。しかし、以前ある映画で二酸化炭素の濃度を計測したグラフを見たが、やはり産業革命時代に突入するとそれまでよりずいぶん二酸化炭素の濃度が濃くなっていた。それほど産業革命が与えた自然への影響は大きいということなのだろう。そして、その無茶苦茶やってきた結果が森林伐採や水質汚染、公害、動物たちの絶滅または絶滅危惧だ。ただ木を切っただけのつもりでも、思った以上にその波紋はそこに生息する動物たちや周囲の地形にまで広がっていく。どこかの自然を無理矢理削り取ってしまうと、たちまち生態系のバランスが崩れてしまうのだ。繋がっている命の輪は、どこか一つが欠けるだけで解けてしまう。人間の都合だけで他の生物から必要以上の命を奪うなどという傲慢なことはしてはいけない。それでなくとも人間は今すでに十分恵まれているのだから。

 確かに、自分たちが快適に過ごすためにはある程度自然を犠牲にすることは仕方がないだろう。しかし、そうはいっても「ある程度」という加減が全くできないのはさすがに問題ではないだろうか。「存在するものは、良いとか悪いとか言う前に全てそれなりの理由がある。」という名言があるように、独自の価値感や利益を優先してばかりではいけないと思う。まず全体の利益を優先して考え、行動することが真に大切なのではないだろうか。また、それは結果的に自分たちのためにもなると私は信じている。なかなかやろうとしてもうまくできない他人(他生物?)への「思いやり」。お互いが気持ちよく生活、共存していけるように思いやりの心を持って生きていきたい。

   講評   inoko

 


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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