国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   課程   AZUKI

 中学校に入って、体育の授業を受けている時に、先生からみんなに衝撃の発表があった。
「今度から体育でもペーパーテストをします」
もちろん皆からはブーイングの嵐だ。テストの時期は英語や公民など、覚えなければいけない教科が山ほどあるのに、体育なんかにかまってられるか!ということだった。もちろん私も反対だった。理由も同じだった。しかし、そんな生徒達に向かって、先生はこういった。
「もともと体育は実技だけだったから、運動音痴の人は点があんまりとれなかったでしょう?ペーパーなら確実に点を稼げるじゃないか。それに、テストをやるって言ったほうが、ちゃんとルールとか聞くだろ?」
それを聞いた生徒達のブーイングは、ちいさくなった。私や他の人たちはそれを聞いて納得してしまったのだろう。確かに私は毎回体育の成績が良くは無い。生まれ持っていた運動神経が他の人よりにぶかったのだ。しかしこれなら確実に点を取れるし、なによりルールをちゃんと聞く人も増えて、安全にスポーツを楽しむことが出来るのだ。この先生のねらいは、点を取らせることではなく、生徒にちゃんとルールを覚えさせることだろう。こんな風に、わたしも結果より内容を重視した見方をして生きていきたい。
 その方法の一つに、課程の大切さを知ることが挙げられる。どんなに課程を重視した生き方をしてみても、その大切さを知らなければ意味がない。私に、こんな体験がある。私は友達にイラストの描き方を教わっている。今では大分ましになったが、その体験をした頃は、顔の輪郭一つまともに取れていなかったのだ。ある日、私は左向きの顔の輪郭を練習していた。右向きならなんとなく描けたのだが、左は今でも得意でないくらい、全く描けなかったのだ。そこで私は、正面の向きの輪郭を描いて、そしてそれを少し変えて輪郭を描くようになったのだが、それを教えてもらっていた友達に見つかった時、すぐにやめろと言われてしまったのだ。どうしてかと理由を聞くと、彼女は
「いきなりうまくなるなんてありえない。どんなに今うまい人でも、下手な時代は必ずあったんだ。積み重ねや、うまくなっていくための課程が大切なんだ」
と教えられた。それを聞いた時はたいそう不服だったのだが、今その言葉を思い出すと、確かにそうだと思える。どんなにきれいな絵でも、他の人をパクッていては、なんの得にもならない。確かにうまく見えるかもしれないが、それは自分の絵ではないのだ。自分の絵をかけるようになるからこそ上達したと言えるのではないだろうか?
 第二の方法は、結果ばかり見ないことだ。実験を例にとって見るとよく分かるだろう。科学の実験などで、反応が起こらなかったとしても、それは失敗でない。どうして反応しなかったのか、何が悪かったのかなどを知るチャンスになる。失敗は成功の母という言葉もある。歴史などを見るときも、どうして日本は『黄金の国』と呼ばれるようになったのかなどを考えながらやってみると、案外覚えられるかもしれない。
 確かに、学校ではテストの成績、いわゆる結果だけ重視されている。今の社会だって、結果を重視しているところはおおいだろう。むしろ課程を大切にしているところの方が少ないかもしれない。しかし、『雑草とは、まだ、その美点が発見されていない植物のことである』という名言がある。雑草に美点が発見されて名前がつけば、多くの人々に広まるだろう。これと同じように、課程を重視したやり方が皆に認められれば、これからどんどんと課程を重視した世の中に変わっていくだろう。

   講評   nane

 書き出しの実例から意見につなげるところが、AZUKiさんらしい。「結果よりも内容」という言葉がちょっとわかりにくいか。
 対比した語句としては、「結果よりも動機」「結果よりも過程」「外見よりも内容」「形式よりも内容」というあたり。
▲課程→過程。
 イラストの描き方も、いい体験実例。実感のある実例が豊富だね。
 結果よりも過程というまとめ方はすっきり書いた。字数も1500字近くまでよくがんばった。
 マインドマップ風構成図は、なれるまでの間しばらく書きにくいかもしれないが、だんだん役に立てられるようになってくるはず。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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