国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人と物語   ニンジンスキー

 子供の世界は「ふしぎ」に満ちている。これらの「はてな」に対して、大人に答えを聞いたり、自分なりに考えたりして、子供は、自分の知識を蓄え、人生観を築いていく。自分で答えを出すとき、外的な現象と、子供の心の中に生じることが一つになって、物語に結晶している。古代ギリシャの時代、各部族や民族は「いかにしてわれわれはここに存在するのか。」という、人間にとって根本的な「ふしぎ」に答えるものとしての物語、すなわち神話をもつようになった。私は心と物のつながりを大事にすることは大切だと思う。
 その理由は第一に、難しいこともすぐ理解できるということだ。私は小さい頃、ふと考え出すと歌にした時期があった。その中の歌に、
「わたしたちはちきゅうにすんでいるぅ〜♪
ちきゅうはどこにあるのかなぁ〜♪
どせいのとなりかなぁ〜♪
ラララ〜♪ラララ〜♪」
その時は歌を作って地球は土星の隣にあると考えて納得していたが、今になると不思議な話に聞こえる。私はそのころ、星といえば土星しか知らなかったから、きっと星は地球と土星と後はきらきら光っている小さな星しかないのだろうと考えていたのだ。また、小さい頃、
「ヤギさんってなんでかみがすきなんだろう」
と思ったとき、実際にティッシュペーパーを食べたことがある。甘かった。もうその時点で
「ヤギさんはかみがあまいからすきなんだ!」
と納得してしまった。ちなみに保湿ティッシュはさらに甘い。まるでデザートである(笑)。
 その理由は第二に、自然現象を身近に感じられると思うからだ。私は小学校2年生くらいの時に、簡単にしてあるギリシャ神話を読んだことがある。その中には見事なまでに自然の「ふしぎ」に理由をつけた物語もある。その中のひとつが「冬ができたわけ」だ。ギリシャ神話では神は沢山いる。その中の一人、大地の女神デメテルは、娘のペルセポネと住んでいたが、ペルセポネはある日、黄泉の国の王、ハデスに連れ去られてしまう。それを知った母のデメテルは、嘆き悲しみ、洞穴の奥ふかくへこもってしまい、そのために、春になっても花は咲かず、草は芽吹かなかった。最高の神、ゼウスは、どうにかハデスを説得し、帰ることになったが、黄泉の国のものを4つ食べてしまい、一年のうちの4ヶ月だけ、ハデスの宮殿で過ごすこととなった。その間はデメテルが嘆き悲しむので冬ができた、という話である。こう言われたら納得できそうではないだろうか。データに、「一ヶ月に読んだ本(毎日新聞社)」というものがある。それによれば、小学生高学年がずば抜けて読書量が多く、5.6冊、中学生になると一気に減り、1.9冊にまで落ち込む。これはいろいろな「ふしぎ」を大まかに理解したからではないだろうか。人間は学ぶ生き物である。「学び」の最盛期が小学生高学年だとも言えるだろう。
 確かに、物事を科学的に捉えるのは大切なことである。しかし、科学的に捉えるにはまず、その現象などに興味を持つことから始まる。だから私は物語によって現象を理解するのは良いと思う。名言に、「カメラマンは、レンズのほこりを払うまえに目のほこりを払わねばならない。」ということばがある。この場合でも同じことである。

   講評   hira

 心ともののつながりがあるからこそ、私たちは心豊かに意味を感じて生きることができるのでしょうね。二、三段落目の理由と実例がこれも心豊かに表現できていました!
■第一段落 ● 是非の主題
 「私は心と物のつながりを大事にすることは大切だと思う」自分の頭でじっくり考えて主題にできたね。
■第二段落 ● 複数の理由 ◎ 体験実例
 この辺の実例は期待通りでした(笑)。子どもって天才だ。自分の中で宇宙が作れてしまうのだから。でも「デザート」は大人の固い頭ではやはり理解しがたい(笑)。この段落の最後に「科学的に考えれば・・・」と簡単にまとめの一文を入れると良いでしょう。
■第三段落 ● 複数の理由二 ● データ実例・長文実例 ◎ ユーモア表現
 このギリシャ神話の引用は良かった。不思議が不思議である故の人間の想像力の豊かさに感動するなあ。また理由にもよく結びついている。データ実例も頑張って取り組めました。
■第四段落 ● 反対意見への理解 ● 名言の引用 ● 是非の主題
 科学的な意味を捉えて「現象に興味を持つ」とつないだのはさすがですね。名言の後、もう少し説明をくわえるとより厚い意見になるでしょう。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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