国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   旅立ち   アトム

ある朝、私は一冊の本と一切れのパンをポケットにしまいこんで家を出て、気の向くままに歩いて行った。自分の家の庭を見まわしていると、少年時代のことが思い出された。
小さな庭や、花で飾られたバルコニー、湿った、日の当たらない、敷石が苔で緑色になった中庭が私を見つめた。それらは昔のような輝きは失っていた。
しかし、その時だった。木陰からトカゲが出てきたのだ。私はいきなり少年に帰り、走ったり、忍び寄ったり、待ち伏せしてみたり、ついに日にあたって温かなおくびょうなトカゲを捕まえた。私はその光沢のある、小さな宝石のような眼をのぞき込み、少年の頃の狩りの楽しみと余韻を味わった。しかしその喜びもすぐに消えてしまった。
一瞬、非常にはっきりと、ここではもう私の本当の喜びを味わうことはできないと感じた。
 たしかに、人間には無邪気な子供時代が大切だ。子供は、いわば本能のまま生きている。つまり子供時代には自分がしたいと思ったことはなんでもするのだ。
僕はよくアリと遊んでいた。遊ぶというよりは殺していた。動くものはつぶしてみたい。そんな気持ちがあったのだろう。今考えれば可哀そうなことをしたなあと思うが、こう思えるのもしっかりと体験をしているからだ。逆にいえば、子供時代から自由な生活ができていないと今になっても基本的な感情がなく、非常識的な人間となるだろう。(複数の意見1)
 しかし、人間には、親や自然や友人から別れて自立することもたいせつだ。いつまでも子供のように生きているとろくなことがない。食べたいから食べる、遊びたいから遊ぶ。と自分に甘え、人に頼る。そのようなことが残ってしまっては人間として恥ずかしい。
大人になるには自分自身で物事を判断し、実現する。社会に出るということはとても難しいのだ。それを生き抜いていくからこそ、「自立」は意味のあることなのだ。
昔話の中に、「桃太郎」というものがある。桃太郎は育ててくれたおじいさん、おばあさんの愛情の中で暮らしていたが、ある日、きびだんごを作ってもらい、鬼退治に旅立つ。これが桃太郎の旅立ちだ。このように昔話にも生きている。(昔話の実例)(複数の意見2)
 愛情の時代も、自立の時代も、人間にはどちらも必要だ。その時代をたっぷりと充実しいて過ごすことが次の時代への準備となる。反抗期のない子は自立が遅いともいう。「脱皮しない蛇は滅びる」という言うように、ぼくも皮をはいで次の時代に向けて新しくなっていきたい。(総合化の主題)(名言の引用) 

   講評   sarada

 アリと遊んでいたかわいいアトム君の姿が想像できます。生き物と無邪気ににふれあうことは、小さい時ならではのできることであり、とても大切なことなのでしょう。そういう時間が少ないと、アトム君の言うように基本的な感情も持てない子になってしまうのでしょう。
 また、「自立」 について、自分なりの意見をまとめて書いていますね。「桃太郎」 の結びは、「このように昔話にも、自立が当然のことであり、大切なことだとされている。」 とした方がわかりやすいね。
【総合化の主題】 は、アトム君のこれからを楽しみにさせます。【ぼくも皮をはいで次の時代に向けて新しく成長していきたい。」 がいいかな?! 


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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