国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   お金と幸福の関係   れもん

 日本は、2007年から超高齢社会に突入した。超高齢社会とは、65歳以上の人口が総人口に占める割合が21パーセント以上の社会のことである。それに伴い、「バリアフリー」といった言葉が一般化し、施設や建物でも段差を無くすなど、障害者や高齢者が使いやすいように工夫がなされてきた。しかし一方で、一番肝心なサービスの面での「弱者に優しい社会」の実現は、まだ成されていない。戦後の急速な発展のお陰で、日本は物質的には豊かになった。しかし、その豊かさが直接的に幸福へは繋がらないということを私たちは今痛感している。私は、物質的な豊かさにとらわれ、経済的な価値観しか持たなくなったことが問題だと思う。(社会問題)
 その第一の原因としては、効率重視の社会的価値観が挙げられるだろう。私がこの前マクドナルドに行き、ハンバーガーを注文したとき、「あと三分お待ちください」と申し訳なさそうに言われたことに驚いた。三分なんて、私にしてみれば、欠伸を五回ぐらいすれば過ぎてしまう時間だ。しかし、社会における三分は私の呑気な三分とは少し違う。三分の間に株価が暴落し、ある人は大金持ちから貧乏人に様変わりしてしまうかもしれない。また、受験生にとっての三分は、英単語を五個覚えられる貴重な時間なのだ。現代は時間に追われ、店頭では財布にお金をしまう時間もなく、せかすように商品を渡される。愛想のない態度で、二人の客に対応する三分よりも、たとえ一人の客にしか対応できなくても、その客の信頼を得ることができる三分のほうが自分にとっても相手にとっても幸福なのではないか。(複数の原因Ⅰ)
 第二の原因は、ゆとりのない教育である。学歴社会がある程度緩和されたとはいえ、まだその風潮は日本社会に根強く残っている。将来良い生活をするために、良い大学に入るために、とにかく今は勉強しなくてはいけない。スポーツができるよりも、芸術的なセンスがあるよりも、とにかく勉強ができることが、将来の安定への近道として尊敬されるのだ。そんな状況に焦ったのか、数年前には「ゆとり教育」が導入されたが、見事に失敗した。そもそも、「ゆとり」という授業を時間割に入れるということ自体に、矛盾があるのだ。ゆとりとは、間である。「ゆとり」の授業をつくるより、授業間の休み時間を五分延ばすほうが、よっぽど有意義なゆとり教育だと思う。(複数の原因Ⅱ)
 確かに、幸福になるためにはお金が必要かもしれない。しかし、お金は幸福の指標ではなく、幸福になるための一つの手段なのだ。だから、私は、幸福を感じる余裕もなく、ただやみくもに経済発展を目指す社会が問題だと思う。経済発展によって、日本の平均寿命は、世界一の長さを誇るまでになったが、私たちが次に目指さなければいけないのは、世界一の幸福な人生を送れる日本社会なのである。(反対意見)(自作名言)(社会問題)(書き出しの結び)
                   

   講評   nane

 書き出し、うまい。難しすぎず易しすぎず的確に問題提起をしているね。
 三分を「欠伸を五回」と考えたところは独創的(笑)。「愛想のない態度で、二人の客に対応する三分よりも……」も切れ味のいい説明になっている。
 「ゆとり」の授業をつくるより、授業間の休み時間を五分延ばすほうが……」も名言になっている。
 「世界一の長さ→世界一の幸福」もうまい。
 ということで、今日は、1200字の中に、かなり密度の濃い思索内容が詰まっていた。名言になる表現がいくつも入っていたところがすごいね。
 森リンの点数は、思考語彙が低いせいだから、これから暗唱400字をやっていくとレベルアップすると思う。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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