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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   教養?実用?   らっど

 日本の学問の中心はと言ったとき、「人間の生き方に関するものが主である。」というのが、江戸時代以前である。これは、いわば教養を深めるための学問と呼ばれるものだ。しかし、明治時代になって福沢諭吉が「學問ノスヽメ」によって提唱したのは、実用のための学問であり、「立身出世」のための学問であった。この新しい、実用のための学問は当時、多くの人に新鮮味をあたえた。しかし、現代では、受験のための学問と矮小化されてとらえられているところがある。もちろん、教養のための学問が現実との関わりを持たない象牙の塔の学問であっては困る。しかし、教養を忘れた、実用主義の学問観に問題がある。
 その原因は、第一に、受験勉強の体制が広がるにつれて、勉強の目的が受験のためという実利的なところに絞られてきたためである。少し前の話になるが世間で言う「履修問題」が話題になったとき、私の学校も引っかかった。それまで、一度も家庭科の授業を行っていなかったのだ。その問題を取り上げた新聞には私の学校の名と共に「K高校では週一回の座禅で家庭科の成績を評価していた。」と書かれていた。この、「座禅」というのは私の学校の隣に大きな寺院があるため生徒は定期的にホームルームの時間を使って座禅を行うのだが、決して“週一回”なんてものではなくせいぜい“年一回”である。私は、この記事を見たとき思わず吹き出しそうになってしまった。「そこまでの嘘をついてまで家庭科をやらせたくなかったのか…」生徒は皆口を揃えてそう言った。
 また、第二の原因としては、経済の成長を目的として発展してきた社会が、即戦力になるような実用性を学問に求めてきたためである。日本の山林も、戦後の木材需要に合わせて、大量に杉林を作ってきた。しかし、実用性の高い杉林は、同時にその自然の中の多様な生態系を失わせることにもなった。アメリカザリガニやブラックバスなどの外来生物は、それまで国内にあった豊かな生態系を破壊することがある。それは、天敵のいない外来生物が、単純な弱肉強食の世界を自然界にもたらすからである。
 確かに、教養が、教養のための教養になってしまったら、ただひたすら、機械のように目の前に出された文章や記号、知識を暗記している、半分しか生きていないような状態になってしまうだろう。学問とは、社会や人生に役立つものでなければならないが、知識として明日すぐに役立つものばかりではなく、十年後二十年後にも役立ち自分の子供や孫にも教えてあげられるような知恵として覚えておくことも大切だ。

   講評   nane

 清書の文章は、よく考えて書いているね。結びの一文も、自分の問題としてよく考えている。
 読解問題はぎりぎりセーフ(笑)。文章がたくさんあるから大変。あとで見返しておくといいよ。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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