低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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言葉と役割 きうい
私たちが日常使っている言葉は、言葉そのものよりも内容の方に重きが置かれている。経験が先行してそれを言葉で表すこと、つまり「伝達」という「実用的」な働きであるわけだ。それに対し、詩や子供の言葉は、日常あまり意識していない言葉そのものを改めて認識しなければならない。言葉が新しい経験を生み出すこと、つまり「創造」という「詩的」「美的」な働きをするのである。詩的な言葉の働きは言葉の中心でない部分なので忘れられがちだが、日常の言葉においても重要な役割を果たしているのだ。普段は仲介役としての働きだが「詩的」な言葉も日常生活で大切なのだ。
第一の理由に、日常生活で「実用的」な言葉ばかり使うよりも、「詩的」な言葉ほ使うほうが分かりやすくなることがあるからだ。例えば、英単語とその意味が並べて書いてあるだけの単語帳は確かに「実用的」ではあるが、それに付け加えて体の動作と覚えり、韻を踏んで覚えるように工夫してある単語帳のほうが、その英単語が身に付くのは早いだろう。膨大な数の英単語を覚えなければならない学生にとって、「詩的」な言葉も織り交ぜて使っている単語帳のほうが使いやすいのだ。
第二の理由に、「詩的」な言葉を使うと、相手に印象深く、強調して伝えることができるからだ。企業の宣伝費の調査で1位にトヨタ自動車70.918百万円、2位に花王49.237百万円・・・というように続くが、企業が宣伝費に膨大な値段をかけているのは、それが十分な効果があるからだと言えよう。CMなどでタレントが話す言葉や最後に流れるキャッチコピーなどは、ほとんどに「詩的」な言葉が使われている。それらの言葉はなるべく購買者の印象に深く残るように「詩的」な言葉を使って工夫されている。
確かに、言葉を「実用的」に使って、事実を正確に伝達することも大切だ。しかし「人が旅行するのは、到着するためではなく旅行するためである」という名言があるように、言葉の意味の「伝達」という役割だけでなく、ことばそのものの「創造」するという「詩的」な役割も大切なのだ。
講評 kira
きういさん、こんにちは。私たちは言語をとかく伝達の手段とだけ考えがちです。しかし、言葉で何かをつくりだすとき、重要な働きをするのは詩的な部分ですね。もっと、それに自覚的になるべきでしょう。
詩的な言葉の方がわかりやすいことを挙げました。そうですね。英単語の並べ方も韻をふんだほうが解りやすいね。同じように、社会科の年号や化学の元素記号など私たちはよくリズムを利用しています。
そして、詩的な言葉はたいへん印象に残ります。たとえの表現をつかうと、字面の意味と比喩の意味と二倍以上のイメージが浮かぶからでしょうね。コマーシャルのコピーは、どれもおみごととしか言いようがないですね。
まとめもいいですね。目的遂行のための手段としてだけではなく、豊かな創造の道具として言葉があるととらえるべきなのですね。
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