創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自己中心性の回避   くるりんぱ

(要約)歴史家の専門の仕事は自己中心性を是正しようとする一つの試みである。自己中心性は生の一つの必要条件であるが、同時にまた一つの罪である。よって、すべて生あるものは、終生ぬけさることのできない窮境におちいっていることになる。生あるものが、その生命を維持することができるのは、自殺や安楽死をどうにかして避けた場合にのみである。この中道は狭い道で、そこを通ってゆく旅人はたえず極度の緊張を感じつつ、用心深く平均を保ち続けなければならない。(予測問題の主題)ところが、現代人は最近自己中心性の方向に傾いていることが問題であり、そのために社会全体をみる視点に欠き、個人主義に傾っていくことが予測される。
 (対策一)第一の対策としては、歴史的な見方を身につけることである。(体験実例)アメリカに住んでいた時に、知人の家で日本刀を見る機会があった。それは知人のおじいさんが、第二次世界大戦中にアジアの戦地で、川に落ちていたものを持ち帰ったものであった。その刀を見たとき、どんな歴史の勉強よりも生々しく戦争というものが身近に迫ってきた。アメリカ人にとってはこの刀は単なる武器で、物でしかない。だから、無邪気にこの刀をインテリアとして壁に飾っているのである。しかし、日本人である私にとっては悲しみの象徴でしかない。この無力な日本刀で敵に立ち向かって行くしかなかった日本兵の無念さを思い、やりきれない気持ちになった。日本は敗戦国で、アメリカは戦勝国であるという事実を突き付けられたような気がした。確かに戦争があったことは事実である。しかし、それを自分中心に自分の側からしか見なければ、一体何が起こったのかを把握することはできない。すなわち、一つのことをいろいろな視点から見るということ、つまり歴史的な見方を身につけることが必要である。
 (対策二)第二の対策としては、自国の歴史を身につける教育を行うことである。(社会実例)二年ほど前に、全国の高校で社会科の科目の履修不足が指摘された。これは受験科目に関係のない歴史の時間を受験科目の英語などに振り替えたり、あるいは最初から裏カリキュラムで歴史の時間そのものをなくしてしまったりした事件である。その結果、子どもたちは自国の歴史を学ぶ機会が奪われてしまった。自国の歴史を知ることは、国際的な自分の立場を知ること、そしてこれから何をすべきかを正しく判断できることにつながっていく。
 (反対意見への理解)確かに、自分だけの幸福を追求することは自分のエネルギーを増やすことになる。しかし、それだけでは社会全体の、あるいは人類全体の幸せにはつながらない。(自作名言)「太陽は人を選ばす、その身を照らしてくれる」というように、これからは自分だけにではなく社会全体のことを考えなくてはならない。(予測問題の主題)そのため、最近、現代人が自己中心性の方向に傾いて、その結果、将来、社会全体をみる視点に欠いて、個人主義に傾いていくことは問題である。

   講評   hota

 全体的にはよいと思います。「体験実例」、いいですね。ただ、対策2の実例は、今回は「読書/長文実例」を入れなければなりませんでした。私が社会科の履修不足の例も話したので、そちらの印象の方が強かったのだと思いますが、たとえば前学期8.3週の長文などを参照してみてください。

 あとは、とても細かいところを2つ。
 最初の「予測問題の主題」は、「ますます個人主義に傾っていくことが予測される」と、「ますます」を入れてみると感じがより強くなりますね。また、「将来、社会全体をみる視点に欠いて」は、「視点を欠いて」の方がよいです。
 対策2では、最後に、「したがって、歴史を始めとした教育は、入試対策ではなく、教養、知識の1分野として、しっかりと子供達に教えるべきだ。」といったことをつけ加えるとよりよいです。

 その他は言うことありません!

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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