創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人工と天然   かまむ

私たちは長い間、木綿と木の中で暮らしてきた。だが明治以降それを捨てて、新しいものへ、新しいものへと人口材料を追いかけてきた。私たちは、機械文明の恩恵の中で、工学的な考え方に信頼を置くあまり、数量的に証明できるものにのみ真理があり、それだけが正しいと信じすぎてきたきらいがあった。だが、自然がつくったものは、木のように原始的で素朴な材料であっても、コンピューターでは解明できない側面を持っているのである。(要約)
 私は犬を二匹飼っている。当たり前のようだが、生き物は手間、時間、そしてさらにお金がかかる。しかも飼っている人になつかないことだってある。毎日が駆け引きだ。一方、ロボットの犬などは、おしっこしないし、ちゃんと言うことを聞く。それに年をとらず、死なない。けれども弱点がある。そのロボットは犬の形をしたコンピューターなのだ。プログラムされたことだけをして、ほかは何も出来ないのである。本物の犬はすごいことは出来ないけれども、飼い主を愛し、心から従うことが出来るのだ。そうつくづく思わせられる。留守番させていて帰ってくると、ポチとビアトリックスは、
「お帰りなさい、ずっと待ってたんだよ。抱っこして。」
としばらくばたばたする。抱っこしてなでてやるとやっと落ちつくのである。まるで甘えん坊みたいな顔をするのだ。(体験)(例え)
 物は普通使えば使うほど悪くなる。例えば私の車。父は『白ちゃん』、という名前をつけた。私たちはまだアメリカにいた。白ちゃんは壊れにくいと評判の日本車だ。でも日本に帰る前は悲惨な姿をしていた。傷だらけで、左のドアが開かなくなり、開けたらしまらなくなるのでドアにガムテープがはってあった。私が生まれる少し後に両親が買った中古品、白ちゃんは渡辺家の唯一の移動手段だった。白ちゃんに乗ってアメリカの四方八方を走り回った。ニューヨークからシカゴ、フィラデルフィア、
フロリダまで。フロリダからは、だいぶ壊れていた。のろのろとでしか走らなくなり、いったん止まるとまた走るのに時間と手間がかかってしまうのだった。最後のドライブでは坂を上っていたとき運悪く信号の色が青から黄色、そして……赤になった。車は止まってしまい、動かなくなってしまった。数十分後、また車は走った。のろのろと。白ちゃんを、父は友達に100ドルで売った。買ってから私たちは25万マイルも白ちゃんに乗って移動したと両親に言われた。(前の話)
しかし使えば使うほど良くなるものなどがある。例えば、鉄製のフライパン。鉄製のフライパンは、使えば使うほど油がフライパンになじみ、料理がくっつかなくなる。味もまろやかになるそうだ。『大草原の小さな家』の作者、ローラ・イングルズの母が鉄のフライパンを使った後で、バターをさびないようにぬって、なん10年も持っていた。という話があった。テフロンのフライパンではそんなふうには行かない。だんだんとはがれてきてしまい、買い換えなくてはならない。私にとって鉄製とテフロンの価値は月とスッポンである。(似た話)
人間にとって人工のものは、気軽に使えて便利なものだ。しかし、それと裏腹にすぐ壊れたり使えなくなったりして、物を大事にする心がなくなっていくと思う。天然のものは長持ちをし、だんだんよくなる。しかし、あつかいがむずかしく高価であるなどという理由で使う人は少なくなっている。あらためて天然のものにも興味を持って使っていきたい。(感想)

   講評   taimu

 こんにちは。「似た話」をたくさん思いついたのですね。ある部分では、うなずきながら読み、別の部分では、思わず笑ってしまう……そんな読み手をひきつける描写はお見事です。

<構成>まとまりのよい要約になりました。書き出しは1ますあけておこう。

●人口→人工

<表現>本物の犬には「心」があり、いろんな表情を見せてくれるよね。時には人間にも劣らぬくらい「甘えん坊」の表情になるところが、ますますかわいらしいね。

<題材>鉄とテフロンのフライパンの違いについて考えることができましたね。鉄製は手入れが大変で扱いにくいけれども、使えば使うほど油がなじみ、料理もおいしくなるみたいだね。『大草原の小さな家』の作者を例にあげ、大変わかりやすい実例になりました。

<主題>「人間にとって人工のものは、気軽に使えて便利なものだ。」実例をもとに力強くまとめることができました。人工のものと天然のものの長所短所をそれぞれ考え深みのある感想になりましたね。



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