国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ことばのおもしろさ   ハーマイオニー

 私たちが日常こどばを使うときは、普通表される内容がまずあって、それを表現する手段としてことばがある。ことばは、あるようでないようなもの、存在しながら、存在していないような何か「透明」なものである。ところが、「かっぱ」のような詩を読むと、ことばが「不透明」になって、私たちの前に立ちふさがり、ことばそのものの存在を意識させられる。私たちのことばについての認識は、その「実用的」な働きのほうに偏っていて、もう一つの詩的な働きは忘れられがちだが、詩人は、日常的なことばの使い方では満足しないため、日常のことばの範囲内の枠を超えることが、必要になってくる。私は、このようなことばの詩的な働きを大切にするべきだと思う。
 その理由は第一に、実用的なことばばかりでは、おもしろくないからだ。早口ことばなどは、「かっぱ」の詩のように同じ韻を踏むことばが何度も繰り返されている。だからこそ、言いづらいのだが、同じ音でも意味が違うので、そこの組み合わせをまともに考えると、おもしろい。例えば、「隣の客はよく柿食う客だ」。冷静に考えると、隣の客がよく柿を食べることなどなぜ分かるのだろう? というか、「のぞきか?!」という話である。このように考えていくと、きりがない。竹やぶに竹を立てかける必要性もわからないし、汽車で帰社するって、いつどこの話だ?! だが、おもしろい。つい、場面を想像してしまう。
 また、今私が楽しみに見ているドラマ「流星の絆」で、こんなシーンがあった。3人兄弟の長兄が、弟と妹に説教をする。言っていることは、すべて正しいがおもしろくない。そんとき、妹が「何かおもしろいこと言ってよ。」と言うが、長兄は出てこない。弟が「落ち込んでいるときに正しいこと言われるとマジ萎えるよ。」と言ったので、長兄が「ナエル川」と言う。ナイル川をかけたのだが、おもしろいことを言うタイミングでもないし、やっぱりおもしろくない。(笑)私は、正しい理屈だけでは、人の心は動かせないのだと思った。
 第二に、メッセージを印象強く伝えることが出来るからだ。私が今楽しみに見ているドラマで(また。笑)「相棒」がある。このドラマはシーズン8に突入しているが、最初のシリーズのキャッチコピーは、「ホシ、見えませんね。だいじょうぶです。ツキ、ありますから。」だった。大変印象的で、今のシリーズに通じるユーモアがある。今期も視聴率も好調で、「篤姫」に次いでドラマ視聴率第2位だ。(データ)ちなみに、第3位は「流星の絆」。私は第1位〜第3位をすべて見ている。(笑)
 確かに、事実を正しく伝えることは必要だ。伝えるべき中身が充実していることも大切だ。しかし、「人は食べるために生きるのではなく、生きるために食べるのである」という名言もあるように、伝える内容も大事だけれど、無駄な説明ではあっても、分かりやすく、おもしろいことばを生かしていくのがいいと思う。

   講評   nara

 言葉が透明なものになるという長文の説明を、ハーマイオニーさんなりに説明すると、どういうことになるかな。空気みたいなとらえ方になっているということだろうね。私たちは空気なしでは生きていけないのに、普段「ああ、空気がある。」などと意識することなく生きている。言葉に対する意識も似たようなところがありそうだ。谷川さんの詩は、「ここに言葉がある!」と突きつけて挑むような感じがするよ。
 第一理由:早口言葉の説明を読んで思い出したのが俳句。柿つながりで「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」も同じように考えられる。なぜ、柿? 柿と鐘との関係性は? 読む人に考えさせるという点が共通していると思うよ。『流星の絆』ネタもうまく入れられたね。功一兄さんのギャグは、脚本のなせる技だなぁ。(笑)ネタ紹介の後にびしっと「正しい理屈だけでは……」と意見を入れているのがいいね。
 第二理由:これもおもしろい。実用的な表現だけでは、人の心にヒッカカリを作ることが難しいのだろうね。透明なものがさらさらと流れ去っていくだけでは、意識に何も植え付けられない。ダジャレやたとえは、単なるおふざけではないということだ。
 「無駄」というのは「実用」と対比された概念だ。電話でも説明した噴水の話同様、無駄を切り捨てることがいいことか否か、ここに関係してくるわけだ。噴水→文化→詩・美・創造(今回の長文のキーワード)というつながりを見つけられると、今回の長文もより深く理解できそうだね。

★東野ワールドにはまった? 私は『相棒』は見ていないけれど、『篤姫』は見ているよ。ドラマの良し悪しは脚本に左右されるね。(好き嫌いも、かな。)

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