低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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「誰もが良く知っている」を読んで おちき
誰もが知っているおとぎ話「ももたろう」は、「ある日おいじさんは山に芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました」という語りだしで、波乱に富んだ冒険の始まりをありふれた日常で始まっている。豊かな森林と川に恵まれたこの国では、住民のくらしは森林や川の恩恵のもとに営まれてきた。これを人間は利用しながら、決して消滅させることなく長く維持してきた。里山での資源採取は「刈り取り」でなく「摘み取り」だったからである。そのほか日本は古くから自然崇拝だったため、山や川が素朴な信仰の対象であったためだと考えられる。その証拠に里山に必ずあった鎮守の森は信仰の的であった。しかしこの森は、保存林の役割もしていたことが最近では分かっている。
私の家の近くには公園がありペットのちゃっぴーを連れてよく散歩に出かけている。この公園には、人工で植えられたものだが、木がたくさん生えており森のようになっている。七月ごろいつものように散歩に出かけ、偶然セミの羽化を目撃した。よく見るとあちこちからまだ幼虫の形をしたセミが出てくる。この日は結局五匹のセミの幼虫を発見した。まさかこんな所でセミの羽化が見られるとは思わなかった私は、身近な自然にかるく感動した。
昔の人は自然をとても大切にしてきている。植物からできている布を使った着物など、リメイクにリメイクを重ねて最後は雑巾にまでして使い雑巾にも使えなくなると燃やす。さらに、燃やした後も灰買いと呼ばれる人たちが灰を回収していき、もとの布の材料の肥料になる。完璧な循環型社会である。このころの地球は今と比べれば、まだ住みやすかったのかもしれない。
人間にとって自然とは、大切な存在であり、なくてはならないものである。最近は環境破壊が大きな問題となっているが、それは現在の人間が自然のありがたみを忘れてしまったためである。自然無くして人類に未来はないと言っても過言ではない。昔の人の自然崇拝の精神を思い出してみるべきではないだろうか。
講評 kamo
今回も、長文の内容をよく理解した上で、深い感想・意見が書けているね。さすがです。
<構成>
要約は、言うことなし。次数も内容もとてもいい。
※「題名」は、「本文」のところに書かないようにしてね。
<題材>
ちゃっぴーの散歩のときの話、とても上手に使えたね。少しでも、実際に自分で自然に触れたこと、そのときの空気が伝われば、それだけで、とても印象的な題材になります。
「リメイクにリメイクを重ねて……」という話もよかった。
<表現>
「森のよう」が、たとえになっていたね。
<主題>
「人間」というキーワードも入れて、一般化の主題が完璧にできていました。今の環境問題などにも言及して、是非の主題のような形でも書けました。
次回、4週目は、また電話がお休みの日だけれど、清書をしあげ、読解問題にも取り組んでくれたらと思います。
12.1週は進級テストなので、しっかり準備をしておいてね!
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