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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   未来ではなく、今を生きる   ハーマイオニー

 先日、私の学校で、2002年にノーベル物理学賞を受賞された小柴昌俊先生の講演会があった。演題は「やれば、できる」で、人間は諦めずに何事も「やるぞ!」という気持ちを持って臨めば、必ずその夢は叶うというお話だった。その「やるぞ!」と思う気持ち、困難にぶつかっても頑張り続けるエネルギーは、「これをやりたい」と思えるものがあるから出てくる。「これをやりたい」と思うものは、教えられて見つかるものではない。自分で試してみて、「これなら」と思えるものを見つけなさい、と。そのような出会いがあれば、教えてもらったことを覚えてテストで書くような受身の能力だけでなく、自分で進んで何かをする力も自然に湧いてくる、と。そして、小柴先生は、音楽家や軍人になる夢には敗れたが、物理学との運命の出会いを果たして、ひたすら目の前の研究をやり続けた。決して、富や名声のためではない。もちろん、将来ノーベル賞をとるためでもない。心から好きでなければ、続けられないことだっただろう。
 私は、小柴先生のように、将来の成功のためではなく、自分らしく好きなことに打ち込む「今」を生きるべきだと思う。
 その理由は第一に、未来のためにいくら綿密に予定を立てたところで、うまくいかないこともあるからだ。私も、定期考査の前には計画を立てる。ところが、たった一、二週間の計画がそのとおりにいった試しがない(笑)。どうしても、部活や自分の好きな読書、買い物などがあったり、「眠い」とか、「体調が悪い」とか、いろいろ予期せぬ出来事が起こってしまうのだ。これらの「いつ体調が悪くなる」や、「いつ眠くなる」などということは、残念ながら手帳には書いていない。このように、計画表通りに進まないのが人生だと思う。(でも、容赦なくテストの日はやってくる……)
 第二に、たとえ思ったようにいかなかったにしても、何かに打ち込んで一生懸命にやった時間は、自分の財産になるからだ。中・高時代といえば青春だ。青春といえば部活だ(笑)。私は、放送部に所属している。私の学校の放送部は、お昼の放送などではなく、洋画の吹き替えやアニメのアテレコ、放送劇を演じる、というものだ。入部当初、重い機材を運ぶのが面倒だったり、先輩との上下関係が厳しいことが嫌だったりしたが、文化祭までは、と思い続けていた。だが、合宿・文化祭を経験したら、「辞めたい」などという気持ちは吹っ飛んでしまった。文化祭では、少なくとも一人一役必ず与えられ、生吹き替え、生アテレコをした。私の役は、中一の中では一番大きな役だった。先輩との掛け合いが多く、とても緊張していた。文化祭当日、家族や友人が客席に入ってきたのを見て、手の震えが止まらなかった。三回の本番が終わり、私の心は達成感に満ちていた。高校二年生の先輩方にとって、最後の文化祭。先輩はみんな泣いていて、この文化祭にかけた思いの強さが伝わってきた。部員全員にとって、とても心に残るものになったと思う。今も当然のように部活は続けていて、週に三回活動している。文化祭が終わった後は、基本的に古台本読み(過去に文化祭で扱った台本を読むこと)を行っている。ただ、時計回りで読むだけだが、色々な役が回ってくる。その度に、声を変えて演じるので、意外と大変だ。だからこそ、友達の声を聞いたり、先輩の声を聞いたりして、いい勉強になっている。こういう日々の積み重ねが、最終的には重要になってくるのだと思った。この経験が、将来にどのように生かされるか、生かされないかはわからないが、今この学校で、中一の今だからこそできる経験を精一杯積み重ねていきたい。
 確かに、人間は未来を予測し、あれこれ考えてしまうものだ。目標を定め、予定を立てる。それ自体は悪いことではない。むしろ「未来はどうなるかわからないから、今さえよければ」と、楽をするばかりではよくない。しかし、未来のために今を犠牲にするような生き方ではむなしいと思うし、思うようにいかなかったときに、後悔ばかりが残ると思う。「私たちの人生は、私たちが費やしただけの価値がある。」という名言があるように、今・現在を精一杯生きることによって、未来においても自分らしい人生が輝いていくことになるのではないか。

   講評   nara

 ずいぶん付け加えたね。テスト前で忙しいだろうに、がんばったなぁ。小柴先生の話は、いい題材だね。「ひたすら目の前にある研究」それに真正面からぶつかるということが、「今を生きる」ということなのだね! 小柴先生が音楽家!? 想像できないけれど、こういうエピソードを教えてもらうと「迷いながらでも、探していれば必ず自分を活かす道がある」と思えてくるね。

★ハリーポッター、前には気づかなかった表現にはっとしたり、気に入ってしっかり頭に入っている場面に遭遇したりと、何度も読むからこその楽しみもあるね。テスト前だけれど、大丈夫?(笑)

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