国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自分の価値観と世界   いちごみるく

 マス・イメージは品物とサービスの販売と消費で定義づけられた社会、人間関係がしばしば金銭のやり取りで規制される社会、解決策を見出す必要に迫られればすべて金で片付けることが常識になりつつある現代社会の意味を私たちに説明してくれる。また、世界が消費こそ求める生き方であり理解の方法だという考え方に染まっていくなか、農業や手工業に携わり、消費は禁物だと教えられてきた人々に、消費は新世界での市民権の定義づけに必要なものだと教え直すものとしての役割もある。そうして大量生産工業と発生期にあった消費市場に特徴づけられた社会において、「『人間による自然の征服』の勝利者側の論理」が定着していったのだ。このように人間や自然との関係を、販売や消費の関係に置き換える社会に問題がある。
 歴史的な原因としては、私たちがいま生きている社会が、あらゆるものを商品化する資本主義社会になっているということである。この前、私は誕生日を迎えて友人たちにプレゼントをもらった。が、素直に喜ぶ自分がいる反面、プレゼントの値段を気にしている自分がいるのに気がついた。私は、徐々に大人に向かっていくにつれ、「一時間〜円」というように時間まで売っている資本主義社会に接する機会が多くなってきたのに原因があると思う。そのプレゼントは、値段が高かれ安かれ、友人たちがちゃんと誕生日を覚えていてくれて、私のために時間を割いて色々なところに出向き探してくれたものなのだ。それを、プレゼント代だけで考えていいのだろうか。
 社会的な原因としては、自分自身の価値観が薄れ、社会で均一な価値観が個人の価値観になりつつあることだ。世の中にはどうしてブランド品があるのだろうか。品質が良く、長く使い続けることができるというのならわかる気もするが、ブランドのロゴが入っているだけの商品をどうしてこぞって皆で買うのだろうか。(私は全く価値観を見出せない、笑)これこそ、均一な価値観が個人の価値観に入り込んでいる例である。持っていることが一種のステータスになっているのだ。自然界にも次のような例がある。餌を食べて満腹になったニワトリのいる場所に飢えたニワトリを入れると、そのニワトリが餌を食べるのを見て、満腹のニワトリも餌を食べだすということだ。自分の欲求ではなく、他者から与えられた欲求によって生きているという面が、人間以外の動物にもあるのである。
 確かにあらゆるものに価値をつけ、お金に換算し、販売や消費に還元することで、社会の資源を無駄なく分配することに成功した。しかし、そこには単純に計算することの出来ない人々の思いなどが埋もれてしまっていることを私たちはしっかり認識しなおすべきだ。

   講評   hira

 考えたことを言語化する能力の高さを感じる内容でした。60分でこれだけ書ければ立派。
 以前、食べるもの以外ほとんで消費する場所がない(笑)東南アジアの国に暮らしたとき、いかに自分自身が消費することを生活にしているかを思い知らされたことがあります。他の日本人も大なり小なりそんな感じでした。より高い給料、より豊かな暮らしを求めるのは人間として自然な欲求なのでしょうが、豊かであるからこそもっと生きることそのものの価値を見つめる必要があるのでしょうね。
■第一段落 ● 社会問題の主題
 「人間や自然との関係を、販売や消費の関係に置き換える社会に問題がある。」と社会問題の主題が述べられました。
■第二段落 ● 複数の原因一 ◎ 体験実例
 高校生としての自分の身近な話「プレゼント」はわかりやすい実例だ。プレゼントするというプロセスや気持ちに価値があるはずなのについつい金額が気になるとは現代人であれば心当たりがある人ほとんどではないかな。「一時間〜円」はカラオケボックスの時間のこと(笑)、バイトの時間給のこと? おもしろい実例なので、少しつっこんで具体例を挙げるとより読み手にイメージが伝わると思う。
■第三段落 ● 複数の原因二 ● 自然科学実例・長文実例 ◎ ユーモア表現 ● ことわざの加工
 「社会で均一な価値観が個人の価値観になりつつあること」よく考えて言いたいことを説明できた。日本人特有の横並び主義を感じさせるね。ブランドという高いモノを持っていると、自分もそのようになった錯覚を覚える。もちろん、質の良さからという人もいるだろうが自分に自信がないからこそ経済的に価値のある錯覚がほしくなるのかもしれない。「衣食足りて礼節を知る」「蟹(かに)は甲羅(こうら)に似せて穴を掘る(人は、自分の分に応じた行動をするものだ)」 この辺が加工できるかな。
■第四段落 ● 反対意見への理解 ● 自作名言 ● 社会問題の主題 ● 書き出しの結び
 「しかし、そこには単純に計算することの出来ない人々の思いなどが埋もれてしまっていることを私たちはしっかり認識しなおすべきだ。」今までの流れを思い起こさせる言葉選びが上手い。自作名言は「価値とは」で作れるかな。


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