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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   言葉の愛   くろーばー

 日本の書き言葉では、漢字の地位は絶対的に高く、それに比べカタカナはいわば幼稚園文字程度の扱いしか受けていない。だがしかし、もとが漢字でない文字の音をカタカナが示す場合に限って、欧米先進文化の光り輝く代弁者の地位に躍り出るのである。日本には、文字はオリジナルで音はそのなぞりという考えがある。中国や朝鮮の人の名前の呼び方が漢字の場合とカタカナの場合に分かれる場合、紙の上の付き合いなら文字のまま読んでも構わないが、そこに愛が加われば絶対に音で呼ぶはずだ。文化の交流が一方的に統制されたものから相互的で直接的なものへと移ると、言葉は紙から抜け出て音になるのだ。私は、言葉に愛情を込められるように生きたい。
 そのための方法として第一に、自分の言葉で相手がどう感じるか、どう受け取るかをしっかりと判断することだ。例えば、『田中花子』という人がいたとする。その人を、『田中さん』と呼ぶか『花子ちゃん』或いは『花子〜』と呼ぶかで相手の印象が随分変化する。雰囲気が硬く、改まった場で呼ぶ時や、初対面で何と呼ぶべきか分からない場合は苗字にさん付けが多く使われるであろう。それとは反対に、親しい間柄である場合や他の人が下の名前で呼んでいる場合は下の名にちゃん付け、さん付け、若しくは呼び捨てで呼ぶだろう。誰でも、相手と仲良くなりたい、交流を深めたいと思えば、相手がより高感度を持ち、親しみが沸くように話すはずだ。鬱陶しがる場合にそっけなく言う、というのも一つの方法である。言葉は単なる意思疎通の道具ではなく、愛情を込めるのに最も分かり易い手段なのだ。
 第二の方法として、国同士、異国の人同士が相手の言葉や習慣を尊重し合うことだ。ある国が他国を侵略する時に、言語までもを統制し強制的に自国の言葉を押し付けると、反感は強まる傾向にある。日本は、昔朝鮮を侵略していたとき、地元の人々に日本語を学ばせ、日本人意識を植え付ける等の皇民化政策を行ったため現地人の反感を強く買ったといわれる。他にも歴史的事例を挙げると、モンゴルで広大な帝国を築いたフビライ=ハンは、それぞれの地域の文化をそのままにしておくことで、征服した地域からの反感が比較的少なかったと言われる。(伝記実例)このように、違和感を覚えやすい文化や言葉を受け入れることで相手の不快感を緩和することが可能なのだ。
 確かに、より速く且つ正確に物事を進めていくには言語を記号のように単なる情報伝達のみに使うことも必要だ。だがしかし、言葉には愛情を込めることが出来る。そして更にそこから良い人間関係を築くことも出来るわけだ。『家とは、外から見るためのものではなく、中で住むためのものである』という名言があるように、言葉も中で生きている人間同士が密接に結びつくために必要なものなのである。私は、言葉に愛を込められるような生き方をしたいと思う。

   講評   kira

 くろーばーさん、こんにちは。高得点が出ましたね。
 私たちはふだん言葉は無頓着に使っています。しかし、日本語には、漢字・ひらがな・カタカナがあり、本当に大切なのは音として発した時だと言うことがわかりましたね。押し付けられた、抑制された言語ではなく、人同士、民族同士の交流から考えれば、オリジナルな音で伝え合うことが大事です。
 その、いちばん身近で大切なものが「名前」といえるでしょう。同じ名前も、呼びかけ方で印象は大きく違います。たしか、赤毛のアンのなかで、アンが養母になるマリラとあったとき、どんなふうに呼べばいいかためらいました。するとマリラが「尊敬の気持ちをこめてマリラと呼べばいい」と答えたくだりがありましたね。
 国際化が進むようになり、世界が標準化されるようになると、これから発展しようとする国、援助を受ける国々の言語や文化の多様性を守ることが急務になってきます。もしも、先進国の論理を押し付けるなら、それは援助に名を借りただけの統治と同じになってしまいそうです。戦争のあった時代の反省を活かしたいですね。
 英語が公用語として認められるようになり、科学も普及すると、すべて記号的に処理するような場面が多くなってきます。しかし、私たちはさまざまな文化の中に生きているのですから、その良さを認め合い協調しあって生きていくべきですね。

   

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