国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   タイミング   例のあの人

「うわっっ。マズッッ」
わたしはいつも何気なくおいしく飲んでいる緑茶をとてもマズい思いをして飲んだことがある。それは、家庭科の時間で初めて調理実習をした時だ。初めての調理実習ということで、まずは緑茶を淹れてみようという時だった。
今日は初めての調理実習。みんな、先週先生の話があってからウキウキしていた。そしてついにその日がきた。どのようにして淹れるか、プリント見て、先生の話を聞いて覚える。メニューはビスケットと緑茶。ビスケットに苺ジャムをのせて食べる。組み合わせがかなり微妙だが楽しみだということには変わりはない。先生の話を一通り聞いた後、準備に取り掛かる。電磁調理器やコップなどを出す。まずヤカンでお湯を沸かし、急須にいれる。で、一回コップにお湯を注ぎ、コップを温めてそのお湯を急須に戻す。その急須には緑茶パックをいれてある。コップを温めるとお茶がおいしく淹れられるそうだ。そして少ししたら先ほど温めたコップにお茶を注ぐ。注ぐと、
「おぉぉー」
と班のみんなから歓声があがる。きれいな緑色だ。ビスケットもお皿に盛り付けて準備完了。先生が準備が整ったのを見て、
「そこの班、もう食べてていいわよ」
と言ってくれた。まずはみんなで緑茶から。
「うん、おいしい」
みんなでおいしい緑茶を淹れられて大満足。そぐにみんな飲み干しておかわり。まだヤカンに残っていたお湯を急須にいれてまた緑茶を作った。一回目がうまくいって浮かれていたのかもしれない。コップに注ぎみんなで飲むと……。
「うへっっ。まずっっ」
となってしまった。どうやら急須に長くお茶を入れっぱなしにしていたようだ。それはそれはまずすぎる緑茶になっていた。でも淹れてしまったのは仕方がない。みんな頑張ってまずい緑茶を飲んだ。
静岡茶は日本一の茶産地だが、そこまで発展させたのはなんと勝海舟である。勝は元々徳川幕府の役人だったが、明治維新後には新政府の役職を勉めた。勝は新政府になって職を失った旧幕臣の身の振り方も考えた。その一つが牧之原台地でのお茶の栽培だった。当時荒地だった牧之原台地を旧幕臣が中心になって、お茶を植えた。もし、勝海舟が牧之原台地に旧幕臣を送り込まずにいたら、現在の静岡茶の発展はなかっただろう。おそるべし、勝海舟。
わたしは、お茶一つにも今だ、という絶妙なタイミングがあることが分かった。お茶だと、そのタイミングの逃してしまうとすごいまずいお茶が出来てしまうし、かといってそのタイミングより早くしてしまうと薄くてそれはそれでまずくなってしまう。そしてお茶だけではなく、それぞれ一つ一つにタイミングがあるのだろう。これから、そのタイミングの逃さないように生きていきたいと思う。
「でもまあ、これはこれで渋くておいしいんじゃない?」
タイミングを逃してしまったわたいたちは、苦しいことをいいながら渋いお茶を飲んだ。


   講評   arare

 例のあの人さんらしい、きびきびとした作文が書けました。

≪構成≫お茶はもともと薬のようなものとして日本に伝わったと聞いています。だから渋くても体にはよさそうですね。渋くなったお茶をお湯で薄めようとは思いませんでしたか。「渋いお茶をしぶしぶ飲んでいる←だじゃれ」場面で作文を結べました。
≪題材≫私は静岡県人ですが、お茶と勝海舟の関係は知りませんでした。静岡のお茶は勝海舟のおかげだったのですか。よく調べました。
≪表現・主題≫「機を見るに敏」ということばのように、絶好のタイミングを素早くとらえることが大切ですね。たとえもことわざもどこに入っているのか分かりませんでした。お茶の渋さや色を何かにたとえられそうですよ。



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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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