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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人と小さいものの存在の尊重   ニンジンスキー

 ふつうのミミズは、土を豊かにするために決定的に重要な動物である。一グラムの土の中には数千万から数億という数えきれない単細胞生物やカビが棲息していて、互いに複雑な関係を保っている。ミミズの場合は、人間の目に見える生態系だが、単細胞生物やカビのそれは、まだ研究し尽くされてはいない。ミミズにとってはまさに晴れ舞台とも言えようが、ここで訴えるところが、四億年以上にわたって生存し続けてきた子の動物の地球上からの消滅を救うものになってほしいと思う。私は、人間中心ではなく、小さいものの存在を尊重するのが良いと思う。
 その理由は第一に、存在するもの全てに意味があるからだ。私はこの前、生物の授業で、
「なるほど…」
と思わされたことがあった。それは「消化と吸収」の単元を勉強しているときのことだった。小腸の栄養吸収についてのときに聞いた、小腸に住み着き、勝手に栄養を横取りして、臭い気体を排出する、いわゆる「悪玉菌」の話である。小腸は、そんな菌に栄養を取られまい!と意気込み、「柔毛」という毛のような突起を一面じゅう作って、表面積を広げ、いつ、どんな方向から栄養が来ても、吸収できるようにした。また、わざわざ柔毛を作っても、吸収する前に栄養を奪われてしまったらひとたまりもないので、栄養が柔毛に触れた途端に吸収できるスピードを手に入れた。この性能アップの発端は、悪玉菌の存在である。厳しい生存競争の中で勝ち取った、いわば「武器」のようなものである。だからといって、悪玉菌を全面的に「良い」とみなすわけではないが、私たちの体にとって、小さな「恩菌」である。
 その理由は第二に、目先の問題だけを処理しても、それが原因で、後々、頭を悩まされることがあるからだ。世の中では今、人口爆発による食料危機、石油危機などの問題が浮上している。実際、「2000(平成12)年の世界の総人口は60億7,058万人であり、2050(62)年には89億1,872万人になる(総務庁 平成15年版 高齢社会白書)」というデータもある。人口爆発とは、文字通り、人口が爆発的に増加することで、それまで子供の死亡率が高くて、女性一人当たりの子供の数が多かった場所が、衛生知識の向上などによって一気に死亡率が低くなり、一方的に子供が沢山増えていくばかりの状態になると起こる。この「衛生知識の向上」というのは、私たち先進国の支援によるものであるが、簡略的に考えれば、不思議な話である。死にゆく人々を助け、その結果自分たちの生活が厳しくなるのである。これでは損をしていることになってしまう(笑)。別に慈善活動はいけないと言っているわけではない。しかし、衛生知識が広まったら今度、子供の多さを解決する手立てを建てることが必要だ。「2000(平成12)年の世界の総人口は60億7,058万人であり、2050(62)年には89億1,872万人」生命の複雑なパズルの一ピースでもなくすと、全体が崩れてしまうのである。
 確かに自分中心という概念が私たち人間には基本的な要素として備わっている。しかし、「脱皮できない蛇は滅びる」という名言のように、一度、「自分」の殻を破って、世界単位で考えてみても良いのではないか。宇宙の中でもほんの小さな地球の、さらにまた小さな国の私たちは、なんてちっぽけな存在なのだろう。そう考えてみると、逆に、自分中心に考えることのほうが難しいような気がしてくる。

   講評   hira

宇宙という単位から、自分自身の存在について考えた結びは印象的。やっぱり、清書は意味があるなあ!

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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