創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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今 光龍
生命とは、何かのことで一瞬にして消えていってしまうものであること、それが消滅すると共に、まるでばばぬきで手もとのカードをひきぬかれでもしたみたいに、僕たちの手もとに残ったもの、これこそ「死」以外の何ものでもないという感じである。これ以上大事なものはないと信じて大切にしていたものでさえ、一瞬にして離れ去り、二度と戻ってくることがない。人生では、そういうことが起こる。そういう一瞬があるのである。アッと思った時は、もうどうしようもない。失われるのは生命に限らない。一つの幸せ、一つの平穏、一つの恋であることもある。僕は、いつどんなことがあっても悔いのないように、今を精一杯生きたい。
そのためにはまず、今の喜びをしっかりと満喫することだ。僕は、中学校に入って、小学校の時にもっと友達と遊べばよかったと思ったことがあった。小学校の時は、放課後遊べたのに、ひとり家でゲームをしたりすることがあったからだ。しかし、中学校ではクラブの合間などに、友達としゃべったりでき、なおかつ運動もできる。よくよく考えたら、中学校に入ってからの生活の方が充実していた面もあった。受験へ向けて、食事のときは食事。学校に行っている時は学校という風に、一つ一つの喜びを満喫し、気持ちを入れ替えることが大切だと、僕は思う。
また、過去を後悔しないことだ。過去を後悔し続けていても、過去は変わらない。過去を後悔するぐらいだったら、いさぎよく現在に目を向けるべきだ。テストの後などは、自分のしてしまったミスを後悔するが、後悔するだけでなく、次回以降のテストにどのようにそのミスを生かしていくかが、大切なのだ。僕は、一度間違えた問題は二度と間違えないようにしている。織田信長は、本能寺の変で、明智光秀に襲われたとき、火の中で舞を舞ったという。これは、信長のいさぎよさがよく出ている場面だと僕は思う。光秀に襲われた理由を考えたり、攻撃を仕掛けたりせずにいさぎよく死を迎え入れて、火の中で舞を舞う。これは、信長が過去の後悔をやめ、現実を見つめた時間だったのではないだろうか。
確かに、世の中には、不幸な運命もある。不幸な運命から目を背けたいこともあるだろう。しかし、「寒さに抵抗するいちばん良い方法は、寒さに満足することである。」という名言があるように、不幸な運命に勝つためには、今に満足することが、大切なのだ。やはり僕は、いつどんなことがあっても悔いのないように、今を精一杯生きたい。
講評 tama
人生においては、一瞬先に何が起こるかわからないものです。過ぎ去ったことを後悔したり、先のことを考えて不安になったりするのも仕方のないことですが、今この瞬間を大切にすることで、充実した人生を送ることができると考えたのですね。受験に向けて過ごす毎日の中では、不安や後悔もたくさんあることでしょう。しかし、今しかできないことを犠牲にするのではなく、何をするべきか、どう生きるべきかを考え、自分を見失わないようにしてほしいと願っています。
【複数の理由・実例】 残り少ない中学生活を受験勉強のためだけに使うのではなく、友達を大切にして、中身の濃い時間を過ごしていることがわかりました。しっかりと「今」を満喫できているようですね。
過去を悔いるのではなく、ミスも反省材料として前向きに受け止めているところも立派です。織田信長の例も、説得力があります。今回もよい流れで結びにたどりつくことができました。
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