創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ボランティア精神   かいろ

 アメリカと日本ではボランティア精神が生まれた背景に大きな相違がある。アメリカは主にキリスト教を重んじる。各地域には教会があり、そこに人々が集まって情報を交換したり、会話をしたりして交流を深めるという場がある。また、多民族国家であるためそれぞれが個人を尊重し、協調していこうという意識があるのだ。それに比べて日本は主に仏教を重んじる。各地域にそういった場がなく地域の人々と交流する機会がない。しかし、仏教の因果応報の考えが根づいていて、相手を助ければいつかその見返りがあるという精神があるのは事実である。このように、日本にもボランティア精神が全くないわけではないが日常生活に根付くとまでに至っていないのは問題である。
 その第一の原因に、社会の仲兄となる世代の人たちの労働時間が長く、仕事で忙しすぎるからだ。ドイツの年間の労働時間が約千六百時間であるのに対し、日本では約二千時間である。日本の労働基準法で八時間労働と定められているにもかかわらず実際残業というものがある。休日でさえも仕事上のつきあいがあって出勤しなければならないことだってあるのだ。このような社会構造ではボランティア精神が根づきにくいのは明かである。
 その第二の原因に、個人で立ち上がることが苦手な人が多いからだ。日本の伝統的な精神の一つに出る杭は打たれるということわざがある。こういった背景で発展してきたため横並び意識が強いのだ。だから、ボランティア活動にしてもなかなか個人で立ち上がる人が現れないのである。
 確かに、日本には日本なりの社会構造があり文化がありそれを背景に助け合いの精神がある。しかし、これからの日本のボランティア精神が成長するためには、自国だけを見つめているのではなく他国と比べ、良いところを取り入れていくことが必要である。

   講評   kira

 かいろさん、こんにちは。日本にボランティアが根づかないというと、なんだか冷淡な国民性のように聞こえかねませんが、日本に助け合いがないわけではありませんよね。ただ、日本の助け合いは、あくまで対等の立場によるおたがいさまの精神によっています。社会のうごきになるようなものではないですね。
 その原因を、労働時間の多さという物理的な原因と、旗振り役が出てこないという精神的なもので考えることができました。他には、社会はつくるものではなく与えられるものだという意識をもっていることも原因となりそうですね。
 もうすぐ「震災とボランティアの日」が来ます。1月17日。未曾有の災害にみまわれたとき、若者たちが率先してボランティアに走ったといいます。こんなところから、新しい精神が育っていくといいですね。

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