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　　　文化の個性　　　光龍

　一つの言語を習得して身につけるということは、その言語圏の文化の価値体系を身につけ、何をどのように捉えるかに関して一つの枠組みを与えられるということである。そこで身につけられる価値体系やものの捉え方の枠組みは、決してそこから抜け出せないといった性格のものではない。しかし、僕達がとりわけ日常的なレベルで、それらを「自然」なものとして受け入れている限りにおいて、自らの身につけている言語によって、ある一つの方向づけをされているのではないだろうか。しかも、僕達自身はそれに必ずしも気づいていないのではないだろうか。もしも、そうだとすると、この点における言語の働きは、人間という存在にとって「無意識」の働きにもある程度類比できるのではないだろうか。僕は、日本人的な謙虚な生き方はいいことだと思うが、もっと自分に自信を持った生き方をしたい。
　そのためには、第一に、失敗や批判を恐れないことだ。僕は、大統領や、総理大臣に立候補する人はすごいと思う。僕は、生徒会にすら立候補することはできなかった。なぜなら、批判を受けるのが怖かったからだ。今、麻生総理は批判を受けているが、批判をする人は、自分がその立場になって考えてみたことがあるだろうか。あんなに批判を受けているのに、職務を全うしている麻生総理はすごいと思う。過去のアメリカの大統領の、エイブラハム・リンカーンやジョン・Ｆ・ケネディは、批判を恐れずに自らが正しいと思ったことをやりぬいた。その結果、反感を買ってしまい殺されてしまったが、そうなる可能性をふまえた上での行動だったのだろうと思う。
　また、もう一つの方法としては、積極的に他国の人々と交流する中で、自分の国の文化の狭い枠にとらわれない考え方をすることだ。先日アメリカの大統領に、バラク・オバマ氏が就任した。オバマ政権の閣僚の顔ぶれを見てみると、アフリカ系や中国系、日系やヒスパニックなど、アメリカだけではなく、他の国の血が流れている人が多いのに気づいた。これは、これからの世界では、出身国なんて関係ないという、差別のない考え方を表していると思う。織田信長は、早くからヨーロッパからの宣教師たちと面会したりして、洋風な考え方を身に着けていた。その考え方のおかげで、火縄銃という新しい武器のメリットをいち早く気づき、早期に実戦配備し、火をつけるまでに時間がかかるという、デメリットを克服することができたのかもしれない。
　確かに、それぞれの文化の個性を守ることは大切だ。しかし、「自分が考えるとおりに生きなければならない。そうでないと、ついには自分が生きたとおりに考えるようになってしまう。」という名言があるように、日本の文化のみを見ていたら、日本的な考え方しかできなくなってしまう。これからの国際社会を生き抜くためには、他国の文化を学ぶことが必要となってくる。欧米の人々のように、僕は、もっと自分に自信を持った生き方をしたい。

　　　講評　　　tama

　日本人の謙虚さは、奥ゆかしく美しいという見方もありますが、海外の人の目には、自信がなく消極的だと映ってしまうようです。国際社会の中において日本をアピールするためには、もっと積極的な行動や発言をしてもいいかもしれません。まずは「自分に自信を持った生き方を」ということですね。

【複数の方法・実例】　失敗や批判を恐れないこと、他国と交流し、自国の狭い枠にとらわれないこと、どちらもよい方法です。生徒会の選挙から日本の国会、アメリカ大統領にいたるまで、政治に関する豊富な実例を挙げたところもいいですね。
　オバマ大統領就任という最新の話題から、歴史実例へのつなげ方も見事です。

【反対意見への理解・名言・まとめ】　よく考えて書けています。それぞれの事例に対し、自分の意見をしっかりと持っているところが素晴らしい！　中学生とは思えないほどの力作でした。