創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
本当の知と無知の知 かゆと
ソクラテスは、おそらく哲学の歴史を通じて最も謎めいた人物だろう。彼は、たった一行も書かなかった。なのに、ヨーロッパの思想に最大級の影響を及ぼしたとされている。彼は、自分の仕事は人間が正しいと理解を生み出すのを手伝うことだと思っていた。ソクラテスはリフイストたちの同年代人だった。ではなぜソクラテスだけが後世まで偉い人と言われたのだろうか。
ソフイストたちは、どんなことでも教えるにかこつけて金をとった。たとえ知ったかぶりだとしてもだ。
ソクラテスは、自分はものを知らないことを自覚していたし、それを売り文句にしていた。だから、教えても金をとらなかった。
僕の行っている塾で理科をしていたときのことだ。夏期講習だったと思う。
「二酸化炭素って化学式で書いてもいい?」という質問があった。先生は
「ま、いいよ。」
別の子が質問した。
「化学式って何?」
すると、これまた違う子が言った。
「その物が何という元素でどれだけついてできているのか書いたやつだよ。」
と半ば得意げに言った。次の瞬間、先生は、
「じゃ、水は何て書く?」
と聞いた。その子は慌てて
「HO2」と答えた。あちこちからプッと笑いが飛んだ。先生は苦笑しながら。
「H2Oだぞ。」と言った。その子は、アッという顔をした後、首をすぼめてうつむいてしまった。
他にも、同じようなことは度々だ。
学校でもことわざの使い方などによく間違いがあるけれど、本人が間違いを知らないことさえある。これは恐ろしいことだと思う。
例えば、「麦芽コーヒー」だ。妹のエピソードである。
普通、「麦芽」は「バクガ」と読むが、ある時母が、
「冷蔵庫からコーヒー味の牛乳出して飲んで。」
と言ったところ、妹が
「ムギメコーヒーでしょ。」
と言ったのである。笑ってしまった。
前、学校で休み時間、なせか火事の話をしていた。
「ねえ、Aは火事って見たことある?」
「あるある」
「どこで?」
「おばあちゃんちでね、散歩してたらだいかじがあってさ、消防車メッチャきてて・・・」
僕は初めてダイカジと聞いた。オオカジの読み間違いだ。解読するのに5秒かかった。
知ったかぶりや、わかったつもりは良くないとわかった。聞くは一時の恥、聞かぬは末代の恥である。聞くことは大事だとわかった。
講評 miki
よく考え、推敲し、とてもスリムで、しかも内容が充実した清書作品に仕上げることができました。よく、ここまで字数をカットできたな、と、感心しました。たいへんよくがんばりましたね。
(^_^.)
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
|
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)
| |