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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   全員一致   かせり

 イスラエルでは全員一致の裁決は採用しない。みんなが一致できるような案件はいちいち裁決にかけなくてもよいからだ。全員一致するときはいい加減に答えているケースが多いため、疑った方がよいと思う。また、「イエス」と「ノー」ははっきりと分けられないものなのである。イエスでもいろいろなイエスがあり、ノーの中にも同様にいろいろなノーがあるからだ。
 多数決で物事を決めることは大切だ。先日、ホームルームでクラスの話し合いがあった。内容は「スピリットウィーク」という、一週間その日のテーマに合わせて変装してくる週のことだった。初日は毎年恒例で一番人気の「パジャマデー。」朝起きたら着替えをせずに学校にこられるので生徒の中でとても好評なのだ。二日目は「キャラクターデー。」好きなキャラクターの着ぐるみや服をきて、学校にくるのだという。そして三日目は「クレージーデー。」これはとても人前では着られないような派手や合わない服を着てくる日のことだ。ここまでは学級員が淡々と話をし、順調に進んでいた。しかし、四日目はクラスが好きなテーマを選んでいいのだという。私のクラスはとてもアイデア豊富な人が多いため、このような話し合いになるとなかなか終わらないのだ。案の定、男の子達がまず意見を次々に言い出した。「原始人デー」、「レトロデー」、「スパイデー」、「不良デー」などから「ウォーリーを探せデー」まで様々なアイデアがでてきた。しかし、皆やりたいものが違い、なかなか話がまとまらなかった。誰もがこのテーマがいい理由をきちんと持っていたため、却下しにくかったのだ。そのため、最後には多数決で決まることになり、テーマは「不良デー」になったのだ。もし、多数決ではなかったら一日中その話し合いになっていたと思う。
 しかし、全員一致になるまで話し合うことは大切だ。私は毎年、夏休みになるといとこの家に遊びにいく。そこに私のいとこ、五人が集まり皆で遊ぶのだ。去年の夏、いとこの家で皆でかくれんぼをしていると、ジュースがあるから飲みにきなさい、といとこのお母さんが言った。皆で急いで下にいくと、テーブルには六本違う種類のジュースが置いてあった。いとこ達は皆我れ先にと取り始めたがそのうち「そっちのジュースがいい!」などとケンカを始めてしまった。そのため、いったんジュースを全部テーブルの戻させ、またどれがいいか言い合った。しかし、どうしてもまとまらない。そのため、皆で少しずついろいろな種類を飲むことにした。もし自分の気に入らないジュースを一人でも持っていたらまたケンカになっていただろう。アンデルセン童話で「青い鳥」という話がある。二人の貧しい兄妹が隣の家の病気の女の子にどんな病気でも治るという青い鳥を光の妖精と一緒に探しにいく物語だ。その間、その兄妹のペットの猫と犬は家で留守番をしていた。しかし、しばらくすると猫が兄妹達の邪魔をしにいこう、といいだした。家の家具や犬達は光の妖精に少しの間だけ人間のように動けるようにしてもらっていたのだ。もとに戻ることを嫌がった猫は皆にこのようなことを言い出した。しかし、犬や家具達はお世話になっている兄妹達に迷惑をかけてはいけないといい全員反対した。そのため、猫は自分の思い通りにはできなかったのだ。犬や家具達全員が一致しなかたため成功できなかったのだ。
 確かに多数決も全員一致もどちらも大切だ。しかし一番大事なのは「人が旅行するのは、到着するためではなく旅行するためである」という名言のように結果に至るまでの内容だ。結果が出てもその話し合いの内容がなければなにも得られない。大切なのは、話し合いからなにかを得られるようにすることだ。

   講評   tama

 人がたくさん集まるほど、それぞれの意見をまとめることは難しくなります。民主主義では多数決による採決が一般的ですが、賛成の中にもいろんな意見があること、また反対意見にも耳を傾けることが必要だということを忘れてはいけませんね。「多数決」と「全員一致」の両方の大切さを認めた上で、最も大切なことは話し合いという過程であると理解することができました。

【体験実例・昔話実例】 かせりさんのクラスでは、それぞれが意見を出し合い、積極的な話し合いが進められているようなので、このような場合は、多数決を採らなければ、収拾がつかなくなってしまいますね。かと言って、全くといってよいほど意見が出ず、賛成・反対に手を挙げるだけといった多数決も困りものですが。
 全員一致になるまで話し合うことは、かなり骨が折れると思いますが、皆が納得できるようにするのも大切なことです。「青い鳥」の話は、細かいところまで覚えていなかったので、途中で我を忘れて読んでしまいました(笑)。意見文としての実例なら、ここはもう少しあっさりとまとめてもいいかもしれませんね。


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