国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。 ▶ 国語読解クラスのご案内

昨日2426 今日970 合計53306□

　　　嫌いなマラソン　　　クローバー

　「今日はマラソン朝礼です。1.3.4年生は早く外に出ましょう。」
週に1回、金曜日はマラソン朝礼。2.5.6年生がマラソン朝礼のときは、私たちはマラソンでなくて、ストレッチ朝礼。寒いし、先生のテンポに合わせて走らなければいけないので、大嫌いなマラソン。それなのにマラソンは、体育の時間にも。
「三学期はマラソンをします。赤から先に。一分三十秒間です。」
先生の説明を受け、それから体育の時間は最初にマラソンをするようになりました。毎回毎回、三十秒ずつ時間がのびていき、これからはずっと四分間になりました。体育のときは好きなテンポで走れるので、まあ嫌い、なてい度。でもやっぱり苦しいし、嫌いは嫌いです。
　何度もマラソンをしてきて、なれてきたある日、いいことがありました。いつも私の白組の先頭は、Hさん。二、三番目をAさんとTさんが一緒に走って、いっつも私は四番目。みんなのように遅くなりたくないのでがんばりますが、前にいる三人は全く抜かせませんでした。その日はHさんがダウンしてきて、三番目を走っていました。
「三十秒前。」
と先生が言ったとき、私や前の三人はテンポアップしたのですが、その日、Hさんは、テンポアップしませんでした。私は無理やり、ほぼ全速力で走りました。すると、五秒前の時、Hさんを抜かせました。その時はとてもとてもうれしかったのですが、その後Hさんが私のほうを見てにらんだ時は、まるで地ごくに落ちたようにさびしくなりました。そして、ぎりぎりで抜かさなければ良かったと思いました。それで、またよけいにマラソンが嫌いになったのです。
　父はスキー部に入っていたので、絶対にマラソンで苦い経験をしたことがあるだろうと思って聞いてみました。すると、
「夏に、日光に合宿に言ってね、」
といったので、楽しかった話かと思いました。でも、続きは
「速い人はみんな先に行っちゃうでしょう。後ろにも人がいないって確認したら、歩くんだよ。それで人が見えてきたら、ちゃんと走るんだよ。」
と教えてくれました。パパがずるをしたなんて信じられません！でも、私もずるしちゃうかもと思いました。私は、うっかり屋なので、ほかの人に見つかってしまう気がしないでもないのですが。
　大嫌いなマラソン、好きになれるといいなあ、と心の中で思いましたが、春や秋など、気持ちの良いときにマラソンをしたいです。多分あさってもマラソンをやるでしょう。
＜＜表記＞＞

　　　講評　　　hoemi

《動作情景の結び》　結びの一文を工夫できましたね。＜また明後日もイヤだなぁと思う気持ちをこらえながら、私は校庭に向かうことでしょう＞のようにすると、より良くなるよ。
《聞いた話》　お父さんの学生時代の話を聞いてうまくまとめられたね。お父さんの話を読んで、「なるほど！その手があったか♪」なんて、先生は不謹慎にも思ってしまいました。先生は歌を歌いながら歌のリズムに合わせて、苦しいマラソンを無理矢理楽しくしようとがんばっていました・・・
《たとえ》　Hさんはよっぽど悔しかったのでしょうね。でも、がんばった人にはがんばっただけの順位が与えられて然るべきですよね。＜まるで地獄に堕ちたようにさびしくなった＞のはかわいそうでしたね。
《心の中で思ったこと》　苦しくて大変なマラソン、嫌いを好きにするには工夫が必要だよね。どうせやるならイヤイヤながらやるよりも楽しくやった方が断然いいよね。少しでもマラソンの楽しみを見つけられるといいですね☆